令和3年 SMI雑感
   3月 ノーベル候補となった渋沢栄一   
2月 「風俗店へ行った翌日の客は・・・」!?
1月 人生を変えた新島昇先生との出会い


令和2年SMI雑感へ

ホームトップへ
《令和3年3月》

 ノーベル賞候補となった渋沢栄一


 先日テレビで人材斡旋をする二人のコンサルタントの話を聞いていたら、女性のコンサルタントが「良く思うのは、人材が不足しているというというよりも、マネージャー(※マネジメント)の失敗が多いように思うんです」と言った。
 これは私が日ごろている感じていることであり、わが意を得たり、と思った。
 ここ数年の夜の学習会、SMIビジネス塾でたびたび学んでいるドラッカーはマネジメントの父と言われている。ドラッカーは単に会社の業績を伸ばすためのマネジメントではなく、社会の在り方としてのマネジメントを説いた。
 
「自立した組織をして高度の成長を上げさせることが、自由と尊厳を守る唯一の方策である。その組織に成果を上げさせるものがマネジメントの力である。成果を上げる責任あるマネジメントこそ全体主義に代わるものであり、我々を全体主義から守る唯一の手立てである。」(P・F・ドラッカー著「マネジメント」より)

■真摯さ無くして組織なし
 ドラッカーはマネジメントを執るリーダーに絶対必要不可欠なものは「真摯さ」といった。
 【真摯さを絶対視して、初めてまともな組織と言える。それはまず、人事に関わる決定において象徴的に表れる。真摯さは、とってつけるわけにはいかない。すでに身につけていなければならない。ごまかしがきかない。ともに働くもの、特に部下に対しては、真摯であるかどうかは二、三週間で分かる。無知や無能、態度の悪さや頼りなさには、寛大たりうる。だが、真摯さの欠如は許さない。決して許さない。彼らはそのようなものをマネージャーに選ぶことは許さない。
 真摯さの定義は難しい。だが、マネージャーとして失格とすべき真摯さの欠如を定義することは難しくない。
@強みよりも弱みに目を向ける者をマネージャーに任命してはならない。できないことに気づいても、できることに目のいかない者は、やがて組織の精神を低下させる。
A何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持つ者をマネージャーに任命してはならない。仕事よりも人を重視することは、一種の堕落であり、やがて組織全体を堕落させる。 
B真摯さよりも、頭のよさを重視する者をマネージャーに任命してはならない。そのような者は人として未熟であって、しかもその未熟さは通常なおらない。
C部下に脅威を感じる者を昇進させてはならない。そのような者は人間として弱い。 
D自らの仕事に高い基準を設定しない者もマネージャーに任命してはならない。そのような者をマネージャーにすることは、やがてマネジメントと仕事に対する侮りを生む。
 知識もさして無く、仕事ぶりもお粗末であって判断力や行動力が欠如していても、マネージャーとして無害なことがある。しかし、いかに知識があり、聡明であって上手に仕事をこなしても、真摯さに欠けていては組織を破壊する。組織にとって最も重要な資源である人間を破壊する。組織の精神を損ない、業績を低下させる。】(※P・F・ドラッカー著「マネジメント」より)
 逆も真なりとすると、真摯さのないところには組織は絶対に作ることは出来ないということとなる。私もそのことを何度も体験した。
                  
■真摯さの塊「渋沢栄一」
 2年後に1万円札の顔となり、大河ドラマ「青天を衝け」の渋沢栄一は正に真摯さの塊のような人物だ。
 ちなみにこの大河ドラマを今まで一度も見なかった娘が一所懸命にみているのには驚いた。それは単に主役の吉沢亮が見たいからということではなく、渋沢栄一の真摯さにひかれているからではないかとも感じている。でなければ、とうに見るのをやめていたことと思う。

 渋沢の真摯さを物語るエピソードは、数多ある。500もの会社、1000にもなる事業に関係したのだから当然のことだが。
渋沢のの言葉に【私が考える人間関係のポイントは、何かをするときには人に対して強い思いを込めて考え、誠意を欠いてはいけないということです。つまり精神を込めて、地位や階級に関係なく、真心をもって交わり、一言ひとこと、一挙一動、心の底からのいつわりがないことが本当の人間関係だと思います。】そうした言葉を裏付ける逸話がある。

『栄一が作った聖路加病院の院長だったトイスラーが1つのエピソードを語っている。1921年に栄一がワシントン会議にオブザーバー参加するためアメリカを訪問した機会に、ニューヨークの有力者が栄一の日米親善や国際交流への尽力をねぎらうため、昼食会へ招待することになった。招待状を栄一に持参する役割になったトイスラーは、栄一の宿泊しているホテルを訪ねた。ところが栄一は、招待の前日と招待当日の夜にワシントンで先約があった。それを聞いてトイスラーは、そのとき81歳の栄一に《ニューヨークとワシントンの往復は難しいですね》と伝えたが、栄一は列車の時刻表をパラパラとめくりだした。そして栄一は、招待当日の朝にワシントンから列車に乗れば昼前にニューヨークに到着し、午後3時の列車でニューヨークを出れば、ワシントンの約束に間に合うと言って、即座に《昼食会に参ります》と招待を快諾した。栄一を招待したニューヨークの有力者は、その誠意と意思と体力の強さに感動した。1926年と1927年の2回、栄一がノーベル平和賞候補に推薦された背景には、こうした国際的にも伝わった栄一の人柄があった』(※『渋沢百訓』より)

 私は今、日本のあらゆる分野で起きている問題の多くがドラッカーの指摘の通り、真摯さを失ったリーダーがマネジメントの欠如によって引き起こしていると感じている。
 渋沢のような真摯さを持ったリーダーが至誠を持って行動する組織や会社は、コロナ禍にあっても、必ずやお客様に支持され花開くときが来る。そして、そうした組織が多くの人に希望を与えることとなる。 SMI小杉(2021/3/30)

《令和3年2月》

「風俗店へ行った翌日の客は・・」

 先日のモーニング・アカデミーでは、良いお客を呼び込む、また良い人との出会いはどうすれば良いかで話し合った。
 その中でお店の客を決定するのは店主(社長)の心構え次第であることを改めて考えさせられた。

■「風俗店やパチンコに行った翌日の客は、ろくな客が来ない」
 SMIでは、心で態度が変わり、態度が変わると行動が変わり、行動が変わると習慣(心構え)が変わり、習慣(心構え)が変わると出会い変わる。そしてその出会いが運命を決めると説く。

 この話の時に長年ミーティングに参加されている飲食店の経営者Kさんが「私の知り合いの飲食店のオーナーは『風俗店やパチンコに行った翌日の客はろくな客が来ないんだ。いつもそうなるんだわ』と、よく言ってましたよ。やはり、清々しい気持ちで今日も頑張るぞ、と店を開いた時と、眠いな、二日酔いだが今日もしょうがないな、と思って開店したのでは、お客さんもちゃんと見抜くんでしょうかね」と言われた。
 私の言いたいことも、その一言に凝縮されているなと、思った。

■与える気持ちでセールスに行ったら売れるようになった
 今月の10日、11日、12日と我々のSMIグループのトレーニング・セミナーが リモートで行われた。
 その席で世界NO1の実績を何度も上げたSトレーナーの話も全く同じだった。このS社長は「心構えによって出会いが決まる」ということに徹しておられる。それは全てが体験から出た言葉なので説得力がある。

 Sさんも当初はこのSMIビジネスが全く上手くいかなかったと言う。しかしある時、気が付く。「オレは見込み客から取ることばかり考えてプレゼンテーションしているのではないか」と。そこで決心する。「見込み客のためになる、与えることだけを考えプレゼンテーションしよう」と。すると信じられない程、出会う人の質が変わったという。そして売れるようになっていったという。

 ある時、過去に3回SMIのプレゼンを受けたという見込み客に出会う。そしてその人は殆どプレゼンをすることなく採用に至ったという。そしてその人に尋ねた。「何度も同じ話を聞いていたのに何故私から採用したのですか?」と、すると、「あなたは全く取りに来ることがなかったから」と答えたという。
 
■ネットの世界でも、心構えで出会いが決まっている
 5年ほど前にSMIビジネス塾のテキストに使ったD・カーネギーの「ヒトを動かすU」に、ウエブの世界においても出会いは心構えで決まるという文章がある。

【「『類は友を呼ぶ』という古い格言が、ツイッターの使用者にも当てはまることが最近の研究で明らかになった。幸福なツイッタラーは集団化する傾向のあることが示唆されている。 ・・・人を集団化させる他の多くの要因よりも、ツイッターは不幸な人同士、幸福な人同士をやりとりさせる傾向が強い」
 この研究を行ったのはインディアナ大学のジョアン・ボレン教授をはじめとするチームで、10万2千人のユーザーによる6ケ月間のリツイートの流れを分析し、1億2千9百万件のツイートを調べた。
 分析には心理学研究の手順を使い、ツイートの中からポジティブな言葉、ネガティブな言葉が使われる傾向を探してユーザーの「主観的幸福」を評価した。ついで彼らは集団化の傾向に着目し、幸福な人々は同様に幸福な他のユーザーに、より多くのツイートや投稿を行っていることを発見している。不幸感を持つ人々についても同様のことが見られた。
 ボレン教授はこの発見から、ツイートは考えられるより伝染力が強いと述べている。
「また喜びや悲しみをきわめて効果的に伝える。幸福な人は、彼ら自身の幸福感が増 幅されるので、(平均より)幸福な仲間のツイッタラーを好むことになる」】

 どの世界も同じだ。価値観や好き嫌いで出会いが決まるのではない。心構えの近い人同士が出会い、引きつけ合うのだ。アメリカの著述家で、牧師のジョン・マクスウェルは「あなたの出合いは、あなたがどんな人を求めたかで決まるのではない。あなたがどんな人かで決まるのだ」と言った。

 このコロナ禍にあって、どうお客様を作っていくか。それも全く同じだ。この状況にグチや不満を言う人はそうした人同士で引きつけ合う。逆にこの状況を変化の機会と捉え、チャンスを見る人はそうした人と出会い、そのチャンスを成果へと繋げていくことになる

 そうした意味で、SMI創立者ポール・J・マイヤーが言った「心構えがすべてだ!」はこのコロナ禍にあっても全くの真実だ。この短いフレーズにこそ、決定的ヒントが隠されている。SMI小杉(2021/2/26)
《令和3年 1月》

人生を変えた新島昇先生との出会い

 新年おめでとうございます。
 SMIクライアントにおかれては、コロナ騒動の中にあってもあるがままを受け入れ、目標を明確にし、やるべき事をしっかりと見つめて前向きに1つ1つを実践されておられることと存じます。

 年が明け年賀状が届くと、あらためて多くの出会い
に感謝させて頂く。人生は“出会い”で決まる。私のSMIとの出会いも、恩師の新島昇先生による。今年も先生から賀状が届いた。その賀状に「小杉さんのお陰で善い人生となりました。感謝です」とあった。先生は謙虚な方で、むしろ私が書くべき言葉がそこに綴られていた。
 
■新島昇先生との出会い

 私は鈴木自動車(※現(株)スズキ)に入社し、販売代理店である栃木スズキ販売に出向した。私は4輪の営業として県南地域(足利市、佐野市)を回っていた。そうした中で、『新島話し方教室−話し方であなたの人生は変わる』と書かれた看板を街のあちこちで見かけた。

 私は営業マンとして成績を上げたい、もっと人前で上手に話ができるようになりたいという思いで、その教室に飛び込んだ。教室は話し方の指導というより生き方の指導をする教室だった。私は週1回、水曜日に行われていた夜6時からの教室に通い始めた。1期(11回)を終了してもまだまだだと思い、参加し続け、とうとう11期通い続けた。回数にすると120回以上になっていたと思う。

 教室での学びは、大変な時もあったが楽しい教室でもあった。いつも受講生に笑顔があった。先生はほめ育ての人だった。そして私は時々先生の事務所を訪ねた。グチや相談ごとを聞いて頂きアドバイスをもらうことで、事務所は営業でかけずり回る私のオアシスのような場所になっていた。

■SMIとの出会い

 ある時、その事務所の片隅に置いてあった赤いカバンのことを先生に尋ねた。
「これはSMIというものです。私はここから学んだものを教室を通して皆さんにお伝えしているのです」と言われた。

 そして間もなく転勤により、県北の鹿沼市を担当することとなり、大きなカベにぶつかった。そこはスズキの占拠率が県内で最も低いところで、占拠率10%〜13%をうろうろしていた。それを25%まで持って行けというのが会社の私に対する期待だった。
 
 それを期に、私は先生が学んでおられるというSMIをやろうと決めた。そして先生にお願いして、SMIのモティベーターに我が家に来てもらった。それも「プログラムを持ってきて下さい」とお願いしての契約だった。そして私はずしりと重い赤いカバンのSMIプログラムを初めて手にした。その時の興奮は今もはっきりと覚えている。

 私は水を得た魚のように働いた。そして、『アルト』の新発売も重なって、数ヶ月にしてスズキの占拠率が、月によっては40%を越えるようになった。一年もすると、よく販売業者に言われたものだ。「鹿沼は軽自動車はみんなスズキになってしまうね」と。鹿沼市は県内でも有数の占拠率の高い市場に変わっていった。

 その後、営業においては、数回の年間功労表彰、新記録達成等と色々な経験をさせて頂いた。それらは新島先生とSMIとの出会いによるところが大きい。そして新島先生の「小杉さんはSMIの仕事が合っているんじゃないですか」の一言が切っ掛けとなり、SMIのモティベーターとなり、今がある。
 
■池田晶子との出会い 

 そのように出会いを振り返ると、正に“出会い”が人生を作ることを実感させられる。
 しかし出会いには、そうした生身の人間としての出会いと、もう一つ本を通しての、時間や空間を超越した出会いもある。
 ここ10数年読み続け、考え続けされている哲学者で文筆家の故池田晶子の本との出会いは、新潟県立図書館だった。正に本のタイトルが私の目に飛び込んできた。
それは“君自身にかえれ”という池田晶子と大峯顕氏の対談の本だった。私は衝撃を受けた。腎臓癌という死を目前にした女性が、ここまで深く考え語り、穏やかに、終末を全うしようとしていることに。そして池田晶子は「徹底して自ら考えろ、それこそが生を全うすること」「自ら考える人が増えることこそが、世界を平和にする唯一の方法」と説く。私はファンなった。私の人生は池田晶子との出会いで、より広く、より深くなった。

■新しい年を渋沢栄一と“出会う年”に

 今期のSMIビジネス塾は、SMIイズムを通し、渋沢栄一&ドラッカーという二人の巨人から学んでいく。それは渋沢とドラッカーとの本を通しての『出会い』である。そしてその出会いは皆さんとの対話を通してより深まっていく。そして渋沢栄一とドラッカーは自分の人生にとってかけがえのない人物となっていく。また二人はいつも数十年先、いや100年先を考え経営することを説いていた。今、持続可能な社会、SDGsが叫ばれるている。そうした実践を考える上でも、二人の考えは大いに参考になる。
 今期も、塾生お一人お一人が、渋沢栄一との出会いが素晴らしいものとなるように、真剣に、しかしワイワイガヤガヤ(※ツバが飛ばない程度に)と楽しく進めていきたいと思っている。この渋沢との出会いがどこまで深まっていくのか、今から楽しみにしている。  SMI小杉 (2021初春)