そば処『藪蕎麦』 芥川賞作家が愛した新潟古町の『藪蕎麦』
今回は、SMIモーニングアカデミーに長年にわたってご参加頂き、地域の活動でもご活躍の岸本裕一氏です。
昨年亡くなられた芥川作家で、新潟古町の出身の新井満氏は、藪蕎麦さんの蕎麦を心から愛しておられた。帰郷した際には必ず藪蕎麦さんを訪れた。また毎年、大晦日の年越し蕎麦の注文をされていた。新井満さんは藪蕎麦さんをマスコミや雑誌等にも良く紹介していた。文芸春秋(月刊)に紹介されたときは新井さんの藪蕎麦さんの蕎麦への愛情が伝わってきた。亡くなられた今、そうした記事も懐かしく思い出される。
また、新潟の老舗である藪蕎麦さんは、新潟島(※信濃川と日本海に囲まれた地域)に長年住んでいる年配者の中には、人生の最後には、藪蕎麦さんの“そば”を食べてから死にたいという人も多いと聞く。事実、過日もそうした人が店を訪れ、一口しか蕎麦を口にできなかったが、満足した表情で帰られ間もなく亡くなられたという。そのように愛され続ける店を守っていくためには常に、店に携わる人達の自己管理と、自己研鑽こそが鍵になると岸本さんは言う。そうしたことの一貫としてのSMIの学びでもあると語っておられる。
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