SMI雑感平成28年

12月 来年のことを言うと鬼が笑う
11月 「鬼平犯科帳」
10月 「2日で再開して下さい!
9月 「売れば分かる!
8月 「ハイポ」
7月 年齢の秘密
6月 負の能力
5月 星山教室
4月 「人生は邂逅である」
3月 成功は常識に支えられている
2月 現代に本物の『学者』はいない!?
1月 品性が運命を決める



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《平成28年12月》

  来年のことを言うと鬼が笑う!?

 「来年の事を言えば鬼が笑う」という格言がある。また「明日のことを言えば天井のネズミが笑う」とも言うようだ。これは天を畏れずに、未来のことを安易に知りたがる人間のはかなさ、愚かさを言ったことと言われる。確かに2011/3/11の東日本大震災を、また先日の糸魚川大火を誰が予測できただろうか。

 しかし、積極的な期待を持っ人が、希望を持って未来を想像し、描いた夢が人類を進歩させてきた。正にDYFプログラム・Lesson1にあるように、「明日に向かって希望を持つことで、将来への恐れは全て消え去るのです。」だ。SMIプログラムは、そうした人のセルフ・ヘルプのプログラムだ。
 
 年末になると私は定期学習会や社内塾で必ず配る資料がある。ポール・J・マイヤーが書いた「積極的期待を持って生きれば、来年こそあなたの年だ」というブロッシャーだ。このブロッシャーに、期待の力が未来(来年)を決定づけることを端的に言っている話がある。

【一年の終わりに当たり、あるグループの人々が新年への期待を紙に書き出しました。そして、それぞれが「新年への期待」を封筒に入れ封をし、翌年の終わりに封を開け、それぞれが声を出して読むことにしました。結果は注目に値します。
★一人はこう書きました。「来年は今までよりもっと悲惨なことが起こるだろう。私にはそれしか予感できない」この人にはこの通りのことが起きました。
★ある女性は、生まれ月の山羊座の星占いに基づき「困難と挫折に出会うだろう」と書きました。そして、やはりその通りになったのです。
★この人と同じ月に生まれた別の山羊座の女性は、困難に出会うなど度考えもしなかったし予想もしなかったお陰で、実りある1年を送りました
★その年に死亡した人もいました。この人の封を開いてみたところ「期待すること」としてこう書いてありました。“私の家系には60歳以上長生きした人はいない。だから私も今年中に死ぬと思う”。彼が死んだのは60歳の誕生日にあと1ヶ月という時でした
 これらのことを認めるかどうかは別問題ですが、消極的なことであっても、積極的なことであっても、誰にでもそれぞれが期待した通りのことが起こるのです。】※ノーマン・ビンセント・ピール博士の『積極的な期待』の逸話より

 このブロッシャーを配ると長年参加されている方は「小杉さん、この資料を見ると師走だなと感じるんです」と仰って下さる。

 目標設定を一言で言うと「期待の力を一点に集約すること」とも言える。複雑にして不透明な時代であればこそ、積極的な「期待の力」が必要になってくる。私も来年の目標を20ヶ書いた。結局、来年という年がどうなるかは、あなたの「期待の力」が決めるのだ。聖書にあるように「叩けよ、さらば開かれん。」「求めよ、さらば与えられん」だ。

 SMIクライアントの皆様、今年一年ありがとうございました。積極的な期待を持って良い年をお迎え下さい。小杉(2016/12/25)

《平成28年11月》

「鬼平犯科帳」

 私の好きなTVの番組に「鬼平犯科帳」がある。特に中村吉右衛門が演じる鬼平は最高だ。昔、池波正太郎の原作を夢中になって読んだで描いた鬼平像がピタッと一致する。これは私だけでなく、多くのファンが思っていることと思う。鬼平は人間国宝・中村吉右衛門のはまり役だ。
 原作者の池波正太郎も、吉右衛門演じる鬼平からヒントを得て作ったドラマも結構あったと聞く。吉右衛門にとって、それはまさしく役者冥利に尽きることだろう。

 この鬼平を見ながら、私は時々ポール・マイヤーが説いていた「偉大なリーダーの5つの資質」を思い出す。鬼平はこの五つの資質を備え、実践していた人だった。

@感情移入;感情移入ができるということは、偉大なリーダーたちに最も広く見られる特徴です。簡単に言うと、感情移入とは他人の身になって考え、その人の見地からその人の問題やチャンスを見るということです。(鬼平は感情の量が豊かで事件が解決すると、罪人や被害者を思いやり、感情移入し、涙ぐむシーンが多い。)

A理解;理解とは、人が何をしたかを知ることではなく、なぜそれを行ったかを知ることです。真の理解とは、次の三つの源から出てきます。つまり、@経験、A自己分析、そしてB研究です。経験は、今日のある人の行動を、過去の人々の行動と比べさせてくれます。自己分析は、あなた自身の内部を見つめて「こうした原因で私はこう反応したのだ。あの人もきっと同じように反応するだろう」と推測させてくれます。研究は、人間行動の心理的な原因を探る意識的な努力です。(鬼平は極悪非道な盗人には容赦しないが「犯さず、殺さず、貧しきからは奪わず」の良心的盗人は、よく理解し許してしまうことが多い。)

B無私;私達はその人の求めるものを考慮し、その人の目標を達成させるために意識的に、しかも具体的に継続した努力を払わねばなりません。無私は偉大なモティベーターの共通点です。あなたが無私の原則を受け容れ、自分自身の人生をモティベーターとするために応用すれば、無私はあなた自身のものになります。(ひょんな事で、時々鬼平の所にも大金が入ってくるが、殆どを配下の者や密偵、そして貧しい人に配り、いつも金庫の中には金が無い。)

C指導力; 成功するリーダーは、リーダーとしての能力を尊敬されていなければなりません。リーダーの正直さ、誠実さ、そして個々の能力を称賛し、リーダーの言葉を信じ、組織を動かす原動力として、リーダーとしての力を信頼されていなければなりません。 (鬼平は配下の者、密偵、そして家老と言った要職にある人も、時には動かしてしまうリーダーとしての人間力を持っていた。)

D人を助けようとする欲望;これまでに取り上げた五つの資質のうちでも、人を助けようとする欲望は最も重要で、意味の深いものでしょう。この資質があれば、他のいくつかの資質を欠くモティベーターでも成功を収めることが多いものです。  鬼平は弱い人、貧しい人がなかなかちゃんとした仕事に就けない。それはそうした訓練の場がないからだと考えた。人足場に教育の場を造った。今で言う職業訓練校を世界で初めて作った。 (こうしたリーダーが江戸時代に実在し、多くの庶民を救い、罪人を更生へと導いたことを知って、私は日本人として矜持と誇り感じる。)

 その中村吉右衛門の「鬼平犯科帳」が、先頃、番組としての最終の収録がされたと報じていた。何とも寂しい限りだ。しかし今度はこのSMIの成功する偉大なリーダーの「五つの資質」を考えるときに、鬼平の、鬼神をも打ち負かすあの阿修羅の顔と、周囲の全てを包み込むあの笑顔とを思い出すことになると思う。小杉(2016/11/30)

《平成28年10月》

「2日で再開して下さい!」

 以前“人生は問題解決である”と言った識者がいた。50年、60年と生きた人の多くは納得する言葉だろう。SMIの創立者ポール・J・マイヤーは、「人生の問題をプロジェクトと受けとめ、その問題を解決するために、先ずその問題を紙に書き出すことです。」と説く。

★「2日で再開して下さい!」
 先日、SMI実践クラブ星山教室の講師星山恒広氏より次のような話を聞いた。『星山さんは米屋さんということで、外食産業の会社やお店との取引も多い。よく経営の指導もされている。

 そうした中に、銀座の百貨店に出店しているおにぎり屋さんがあった。その店でボヤがあり営業ができなくなった。スタッフが見るところ再開には一週間かかると判断した。しかし百貨店より「2日で再開して下さい!」と言う指示が出た。スタッフは皆で絶対に無理だ、と頭を抱えた。そこで星山さんに相談しようということになった。早速連絡した。「どうしたら良いでしょう?」と必死な思いで尋ねた。

 星山さんは二つのことをアドバイスした。一つ目は、先ずやるべき事をすべて紙に書き出すこと。二つ目は、それに優先順位を付け、その優先順位通りに実践していくことだった。スタッフは当初疑心暗鬼だった。しかし兎に角ワラをもすがる思いで実践した。すると信じられないことが起きた。皆で絶対に一週間はかかると思っていたことが、1日でできたのだ。百貨店側も驚き、褒めてくれたという。その後滞りなく営業再開し、今もお店は順調に推移していると言うことだった。

★紙に書くことで、会社の危機を乗り切った
 以前お世話になった大阪の先輩が、問題解決の好例を本に書いていた。

 『30人前後の、ある建設会社の経営者を紹介され訪問した事があります。ところが建設不況の影響をまともに受け、決済の重なる3月末を乗り切る目途が立たない状況とかで会社の中は異様な雰囲気です。SMIの商談をするような状況ではありません。

 それで、その社長さんに次のような話をして帰りました。“大変だ、大変だと騒いでいるだけでは何の前進もありません。まず3月危機を乗り切るために予測される障害や問題を、とにかく全部書き出してみたらどうですか。” “それが一杯あってどうにもならないのですよ。” “一杯あるから、それを全部書き出すのです。そしてその一つ一つについて、期日と誰が責任を持ってやるのか決めていくのです。

” 4月中ごろ電話がありました。“あの後、私が中心になって提案された行動計画を作成し、社員の協力も得て、3月危機を無事乗り切ることができました。これからはあの方式を、よく勉強してもっと前向きなことに活用したいのでSMIプログラムを持ってきて下さい。”という嬉しい内容でした。

 再訪した帰り同社の女性が車で送ってくれたのですが、その車の中で彼女は、いみじくも語ってくれました。“私はこの会社に入って10年近くなりますが、あの時ほど全社員が一丸となったことはありません。私も本当にやり甲斐を感じ、必死になってお手伝いしました。前向きな仕事ではありませんでしたが本当に充実した1ヶ月でした。”と。行動計画の作成は全社員のベクトルを目指すべき目標に収斂(しゅうれん)させることにも役立つのです。(※田中得夫著「成功の道しるべ」より)

 情報の洪水と、変化が光の速さにある現代にあっては、問題解決や成功の条件は紙に問題や行動リストを書くことが絶対の条件になる。多くの成功者がそのことを意識するしないにかかわらず、実践し成功しているのだ。(小杉)2016/10/27

《平成28年9月》

「売ればわかる!」

 先日テレビを見ていたら、全国でも有数の高校生のブラスバンドチームを育てた先生が紹介されていた。このブラスバンドでは生徒の自主性と自立心が育っている。その1つの方法として、生徒が生徒を教えることをやっていた。それを見て「ああ、やっぱり人間の本質を知るリーダーは同じことをやっているんだな」と思った。

 当然のことだが多くの組織や会社で、自主性、自立性のある社員を求めている。しかし、色々と手を打ってもなかなか思うように育っていないのが現状のようだ。
 しかし、SMI社内塾では確実に自主性を持った人材が育っていく。それは何故か。2つのポイントがある。1つはSMIプログラムを通して自らが考えることを徹底していること。もう1つはより大きな鍵となる“教える経験”をさせていることだ。この教える経験をさせることで人間は大きく変化し、成長していく。

 私の敬愛する第五代経団連会長の土光敏夫氏は
『人間は年中“教えられる立場”にだけ置かれているとダメになってしまう。ときに部分的にしろ“教える立場”を与えねばならぬ。教えられながら教えることによって、人間は素晴らしい成長を遂げるのだ。人は教える立場につくことによって、はじめて自覚的・自発的・自主的になる。人は互いに教え合い学び合う関係において、はじめて心を許す。人はどのような地位にあろうと、リーダーシップを発揮することを好む』と、言っていた。

 日本のSMIの基礎を築いた前SMIジャパン代表のA氏は、よく我々に向かって「売れば分かる!」という言葉を口にされていた。当初はその言葉の意味が理解できず、売らせたいがための言葉だろう等と思っていたものだ。しかしSMIビジネスを継続するうちに分かってきた。これも上記の「教えることで人は自立し、自主的になっていく」と同じだった。

 私もこのビジネスを始めて、クライアントが増えていくに連れ、SMIのことを聞かれ、教え、指導する場面も多くなった。そのためには、私自身がSMIをよく知り、実践していなければうまく説明できないということに気づかされた。結局、SMI具現者にならないと、良きモティベーターになれないし、SMIの紹介もできなくなってしまうということだ。そのための「売れば(SMIが)分かる」ということだった。つまりはAさんの愛情と体験から出た言葉だったのだ。

 SMIのリーダーシッププログラムEPLプログラム(Effective Personal Leadership)に「人生とはリーダーシップを発揮することと、それに従うことを、絶え間なく訓練することである」とある。つまりは他の人のリーダーシップに上手に従うことも自分を大いに成長させる、ということでもある。それを“教える”という行為で捉えていくと、上手に教えられる生徒となることも自分を成長させるということだ。それは正に、土光さんの言葉「(人は)教えられながら教えることによって、人間は素晴らしい成長を遂げるのだ」と繋がっている。

 そうしたことを考えながらあらためて、SMIに縁を頂き、こうしてモティベーターという立場を頂いていることが本当に感謝だなと、思った。これからもその感謝をSMIという仕事を全うすることで返していきたいものである。 (小杉)(2016/9/25)

《平成28年8月》

 「ハイポ」

 リオ・オリンピックは日本にとっては素晴らしい大会となった。一人ひとりの選手に、それぞれドラマがあった。メダリスト達が第二、第三の力を発揮していく姿に人間の無限の可能性を見せてもらった。

 特にシンクロの銅メダルの選手達の練習の過酷さを聞いて「・・・運動選手達の言う『第2の力(second wind)』が十分に存在するのですが、その力は『第1の力』を使ってしまわなければ出てこないのです」という、DPMプログラムLesson2「豊かさの世界」のフレーズをあらためて思い出していた。

 井村監督は「ハイポ」という過酷なメニューを選手に課した。これは最後の粘りを出す練習法だ。新聞の記事に「25メートルの潜水を挟む数百メートルのスイムを各自のベスト記録に近い制限タイムが切れるまでくり返し、息も絶え絶えになった状態でプログラムを演じる。これをほぼ休息なしで3〜4セットの約1時間半、高い負荷で泳ぎっぱなしだ。・・・そうして培かった馬力を発揮した吉田は『ハイポはもう一生やりたくない。思い出すだけでも吐きそう』と笑った。限界を超えた鍛錬が伝統を取り戻すメダルに繋がった。(共同通信)」とあった。正にこの「ハイポ」は選手達の第2の力、第3の力を発揮させた。

 シンクロというスポーツは“水の中にあって”ということで、最も過酷なスポーツだ。NHKの「ミラクル・ボディ」では、ロシアのシンクロ金メダリスト、イーシェンコ選手の脾臓が長期の訓練によってイルカと同じ程度の機能を発揮していたと報じていた。それによって3分以上の無呼吸状態にあっても、水中でのシンクロの動作が可能になっていた。一般の人の5倍の能力だ。これはシンクロという競技の過酷さと、人間が持つ潜在能力の豊かさと、奥深さを物語っている。

 井村監督は「(そうした積み重ねで)ただのシンクロが好きな選手から、メダルをねらうアスリートになった」と語った。選手は「(結果を出し)先生の誕生日プレゼントにしたい」と言い、実現させた。監督と選手は結果を通して信頼関係を培っていった。

 今度のオリンピックでは、上記と同等の練習を自らに課したメダリストも少なからずいたことと思う。しかし、過酷な練習だけがメダルの十分条件ではない。選手にはどうしても精神面を支えることによる、第2、第3の力の発揮が必要だ。

★重量挙げの三宅選手は「親子鷹」と「あきらめない」の心で、第2、第3の力を発揮し、銅メダルに輝いた。バーベルに優しく触れたときの笑顔は素敵だった。
★卓球の三人娘は「メダルへの思い」と「絆」で、第2、第3の力を発揮し、銅メダルを勝ち取った。福原選手の涙も印象的だった。
★テニスの錦織選手は「自信」と国を背負うという「自負心」で、第2、第3の力を発揮し、ラケットで銅メダルをもぎとった。「何かを得た」という言葉には重みがあった。
★柔道の大野選手は、「美しい技」と「礼」へのこだわりで、第2、第3の力を発揮し待望の金メダルを手にし、その後の選手に勢いをつけた。
★競泳の萩野選手は「ライバル」と昨年のケガでの「負の能力」で第2、第3の力を発揮し、金メダルを獲得し、その後の日本選手に「いける」という思いを抱かせた。
★レスリングの伊調選手は「姉妹愛」と「家族愛」で第2、第3の力を発揮し、4連覇を成し遂げた。国民栄誉賞は当然か。
★体操の男子は「団結力」とチームで次々に起きた「負の能力」によって第2、第3の力を発揮し、金メダルを5人の力で掴み取った。体操は個人演技だが、集団演技にさえ見えた。
★陸上の400メートルリレーの4人のサムライは、日本人の「技術力」と「信頼感」で第2、第3の力を発揮し、初の銀メダルを、走り取った。そして世界を驚かせた。

 等々、皆、個性的で、人間的で、魅力的だった。第2、第3の力で潜在能力を出し切った人間の笑顔は本当に優しく美しい。猛暑の夏、若いアスリート達の涼風が吹き抜け、さわやかな感謝の夏となった。 (小杉)
(2016/8/25)

《平成18年7月》

 年齢の秘密

 SMIプログラムを理屈や知識ではなく、聴く、書く、という反復によって心で捉えていくと、年齢や経験年数によってその内容の奥深さが全く変わってくる。そのことがSMIプログラムの価値を高めている。

 過日のモーニング・アカデミーで、そのことをあらためて確認させてもらった。長年、モーニング・アカデミーに参加されている精密器具の設計製造をやっているK社長が、明治期に日本人が書いた本として、はじめてアメリカでベストセラーとなった杉本鉞子著「武士の娘」より抜粋したものを資料として持ってきてくれた。

 長岡藩出身の杉本鉞子は6歳より論語を学び始めた。勉強が好きでくり返し読んでいるうちに少し意味がわかってきた。それを師に言うと「まだ幼いのですから、この書の深い意味を理解しようとなさるのは分を越えます」と言って、知識にしてしまうことをきつく戒められたという。この時代の人達が学ぶことを理屈や知識にしてしまうことを如何に恐れていたかが伝わる逸話だ。

 人は年を重ねないと絶対理解できないものがある。それを孔子は「三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。・・・」と言った。30では惑うことも多々ある。また、30では天命は絶対分からない。これを小林秀雄は「年齢の秘密」と表現していた。

 明治時代に、藤村操という帝大生が有名な詩を書き「人生は不可解なり」と言って華厳の滝に飛び込み自殺した。これが若者に大きな影響を与えて、その後数百人が華厳の滝に飛び込み死んだ。大きな社会問題となった。そのことをある本で知った20代の私は、藤村の言う通りではないかと思ったものだった。

 しかし、その言葉の捉え方も40代、50代で全く変わってきた。そして、今では、97才の孤高の日本画家堀文子さんが「90才になったら死と同居して生きている」と言った言葉の方が、死生観を考える上で役立つ言葉になった。これも年の巧によるものだ。

 SMIプログラムのように普遍性を捉えたものは、何十年、何百年経とうが基本は変わらない。だからこのSMIという絶対的なモノサシは自分の変化成長に合わせて、気づきと希望を与えてくれる。

 35年前に初めてSMIに触れて知った言葉、「成功とは心の状態なのです」「(時間の経営のため)あなた自身を惜しみなく人に分かち与えて下さい」また「あなたが直接関係していない社会の問題も、あなたが責任の一端を担っていることが分かる時が必ずくるでしょう」等は、当初は意味も自分の都合で捉えていたものだ。しかし、今では全く違った捉え方になり、そこに絶対の真理を感じられるようになった。 

 長年プログラムに触れ続け、10年後、20年後にプログラムに触れた時、SMIの珠玉の言葉が、どんな気づきや希望を与えてくれるかを考えると楽しくなる。クライアント諸氏にも、SMIプログラムには、10年、20年という経験の長さ、また年代を重ねることによる、捉え方、味わいがあることを体験していただきたい。それこそが、人間の想像力と普遍的SMIプログラムの無限の可能性であるとも言えるのだから。
(小杉)2016年7月25日

《平成28年6月》

「負の能力」

 先回のこのコーナーでお知らせした「星山教室」(6月21日)での星山社長の体験談は、ネガティブ・ケイパビリティー(負の能力)の話がほとんどだった。その一つとして、市街地に店を構えていたころに、魚沼こしひかりを店独自で売り出そうとした。ところが他の商標登録に抵触するとのことで売り出せないというピンチに遭遇した。

 その時とった星山社長の手立てはユニークだ。魚沼越光(ウオヌマコシヒカリ)を魚沼越光(さかなぬまこしみつ)にして登録申請し、商標登録に成功する。その後『さかなぬまこしみつ』の大キャンペーンに打ってでる。そして大ヒットさせた。売り上げは毎年そのコメだけで5億円に上った。それが会社の基礎を作った。普通の人なら簡単にあきらめるところを、星山さんは大きなチャンスにしていった。あらためてそうした積み重ねが、強い人・強い会社を作るのだなと考えさせられた。

 このところ人が成長するうえで、『負の能力』の発揮する経験が絶対必要なことを感じる。大リーグではイチローがヒットの世界記録を達成し、3000安打の大記録も目前にしている。イチローが自分の人生は「笑われてきた人生であり、その笑われたことをバネにしてやってきた」と語っていた。

 また、テニス界ではセルビアのノバコ・ジョコビッチが「4強」と言われた時代を「1強」の時代にした。ジョコビッチの強さは精神力にあると言われている。その精神力はコソボ紛争の中を、逃げまどいながら、地下室の生活を余儀なくされた。そうした全く練習できないという苦しい経験の中で培われてきたという。「あの体験によってたくましくなれたし、絶対成功したいという思いがなお一層強くなった」とジョコビッチは語っている。

 戦前のリーダー論で、次の3つの何れかを経験しないと、良きリーダーにはなれないと言われた。それは@大病の経験があるか、A借金に悩んだ経験があるか、B政治的なことで投獄された経験があるかだ。これらは皆『負の能力』のことだ。戦前の宰相は半数が任期中に暗殺されたと言われる。「負の能力」の経験のない者にはとても務まらなかったことがその数字からも分かる。

 投獄で思い出すのは、ウルグアイのムヒカ元大統領だ。ムヒカさんは国連の環境保護の大会での演説で一躍時の人となった。大統領の給料のうち10万円を生活費に充て、残りをすべて寄付をしていた。大統領になる以前は政治犯として11年もの長きにわたる投獄生活をした。

 こうしたことを知ると、今の為政者の多くがそうした『負の能力』を経験せずに、チョット弁が立つ、また二代目といったことだけでそうした立場に立ってしまい、失態を繰り返しているようにも見えてくる。

 ドイツの文豪ゲーテは「涙とともにパンを食べた者でなければ、人生の本当の味はわからない」と言った。モティベーションは感情と言っても良い。素晴らしいリーダーは皆ゲーテが言うように、ネガティブィブ・ケイパビリテー『負の能力』を経験しながら人生を味わい、人間の魅力や素晴らしさを実感し、そうして培った人格(品性)によって人を動かしている。(小杉)2016年6月30日

《平成28年5月》

星 山 教 室

 私はSMIビジネスを始めて28年になる。その間数千人の人にお会いし1000人近くの人にSMIプログラムをご採用頂いた。ビジネスを始めた当初、悩みながらも多くの素晴らしい人と出会い、クライアントになって頂いた。そしてその人達に支えられ、SMIビジネスを続けることができた。そしてその人達と共に学び、切磋琢磨しながら私自身が一番育てられた感を持っている。

 そうした多くのクライアントの中でも、新潟市の星山米店の星山社長とは絶えず刺激し合い、SMIの実践を語り合い学んできた、SMI同志である。その星山社長が昨年、事務所と倉庫を新しくされた。そして今度、その事務所の2FにてSMI実践セミナーを来る6月21日(火)実施される。

 星山社長はSMI・DYFインストラクターでもある。早朝ミーティングに参加された頃より指導法には定評が有った。一度、夜の勉強会・SMIビジネス塾でインストラクターとしてお越し頂き、話をしてもらった。その後、塾生より「今回は星山さん、来ますか?」と何度も聞かれ、私より評判が良いなと苦笑したものだった。

 星山さんの話が分かりやすく、多くの人の共感を得る理由は、SMIプログラムに触れ続け、行動計画を徹底的に書き、きちんと実践してきたからだ。つまりは、星山さんがSMI具現者だからだ。

 星山さんはSMIの学びは、古人の『道』の学びと同じように「守・破・離」の過程を通った。「守」−素直にSMIイズムを学び、「破」−SMIイズムで自己対話し、SMIの原理原則を自分のものにした。そして「離」−自分独自の、SMIプログラムの使い方を作り上げていった。

「本当の学問は自分で発明していくものなのです」と、かの小林秀雄は言った。星山さんの手法はSMIプログラムの学びを実践し、原理原則に従いながら、正に独自に発明したSMI実践法なのだ。だから面白い。

 そうした発明の一つ『星山式アファーメーション実践法』は言葉の力を理解し、実践するのにとても役立つ。私も多くの社内塾で紹介し使わせて頂いている。他にもまだ色々なものが有る。今度『星山教室』としてスタートする中で、またどのような自己成長のための“発明品”が出てくるのかを、私は今から楽しみにしている。(小杉)2016年5月20日
平成28年4月

 「人生は邂逅(出合い)である」

 今月のビジネス塾で人間の「運命」の話となった。人間に「運命」はあるのか、あるとしたなら運命は何が決めるかという話となった。1月のこのコーナーでも書いたが、SMI創立者ポール・J・マイヤーは「品性(人格)が運命を決める」と言った。では品性が具体的に運命をどう決定づけるのか。そのことで、思い出したことがあり、皆さんにお伝えした。

 ヒンズー教の教えに、「心が変われば態度が変わり、態度が変われば行動が変わり、行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わり、人格が変われば運命が変わる。運命が変われば人生が変わる。」というものがある。それをSMIクライアントの伊藤一成氏がその教えをもう少し詳しくした。「心が変われば言葉が変わり、言葉が変われば態度が変わり、態度が変われば行動が変わり、行動が変われば習慣(心構)が変わる。習慣(心構え)が変われば人格が変わり、人格が変われば出合いが変わり、出合いがが変われば運命が変わる。運命が変われば人生が変わる。」と言った。つまり、心構えの変化による人格(品性)が出合いを決め、運命を決めるとした。昭和期活躍した文芸評論家の亀井勝一郎は「人生とは邂逅(出合い)である」と端的に言った。

 私は長年の営業という仕事を通し、数千人と面会し、その後縁があった方とお付き合いさせて頂いている。その経験を通し感じることは、SMIの実践プログラムにあるアメリカのフォンブラウンの言葉『人は自らが望むところに属している』だ。正に人は同じ心構えの人、言葉を換えれば人は皆、同格の人間と引き合い、一緒に生きようとするのだ。また、アメリカのジョン・マクスウェルと言う人気ブロガーは、「あなたの出合いは、あなたが望む人と出会うのではなく、あなたと同じ人と出会うのだ」と言った。この言葉も至言である。

 私の尊敬する九州のS社長は本部のアドバンストレーニングの講師を務められていた。そのトレーニングでS社長がよく言っていたことが全く同じだった。「このSMIビジネスを成功させるためには、あなたがSMIの具現者として生きることが不可欠です。あなたがSMIを実践してないと、SMIの見込み客にならない人とばかり出会いますよ。逆に、あなたがきちんと目標を立て行動計画にし、実践しているとそういう人と出会い、プレを自分の人生として捉えくれてSMIを採用してくれるのです。だからSMIの見込み客発見も、SMIクロージングも、全てあなたの心構えと生き方で決まるのです」と。

 私も自分の営業を振り返ってみるとその言葉の正しさを実感する。こちらが迷い、ふらふらした状態の時に出会う人(見込み客)は、優柔不断で決められない人が殆どだった。逆にこちらが目標を明確にし、行動計画を書いて、しっかり実践している時は、目標を持った人。また一見目標がないように見えた人であっても、話しあっているうちに、心の奥深くにあった夢を思い出し、自らの力で立ち上がろうとする人達だった。だから面白いように契約が取れたものだ。

 それから人生においての運命を大きく左右することとして結婚がある。夫婦も似たもの同士が引きつけ合い一緒になる。SMIを学ぶ以前は、価値観(好き嫌い)が同じ者同士が理想の結婚相手と考えていた。そうではなく、心構え(魂)のレベルが一致している者同士こそが理想なのだ。そうした意味でも運命を共にする者として、互いに善き影響を与え合い、運命を決める心構え(魂)を高め合っていきたいものである。(小杉)2016/4/20
平成28年3月

成功は常識に支えられている

   SMIのEMDプログラム(※経営能力の開発プログラム)の有能な幹部職というレッスンに「洞察力と実際的な判断力−つまり常識−は、有能な幹部職の特徴の一つです。揺るぎない決意を持っている有能な幹部職はその一般的な理解力と常識を駆使して、日常の世界で効果のある事柄を学ぼうとします。そうした洞察力と判断力のお陰で、有能な幹部職は自信を持って前進することができるのです。」と出てくる。リーダーの直感や決断は常識に支えられていること、そして常識が自信を支えていることをを示している。プログラムには時々常識という言葉が出てくる。

 最近、私が多くの人が勘違いし、間違って捉えている言葉だなと感じるのが「常識を疑え」「常識を捨てろ」「常識に捉われるな」といった言葉だ。
 これらは経済活動や科学においての製品の開発や、人間性を伴わない実践においては大いに役立つ。しかし、日常生活や人との関係においては使えない言葉なのだ。経済の発展・科学技術の進歩と共に「個」の力が増し、こうした言葉を日常生活や人間関係にもそのまま使い、行動し、周囲を困惑せている人が増えてきているように思われる。

 先日、1月よりSMIカンパニープログラムをスタートした会社の社内塾で、「レッスンや成功の五原則の5番『障害や批判、周囲の状況に惑わされず、人々が何を言っても、思っても、しようと構わず、心に描いた計画を、強固な決意を以て成し遂げよう。』をそのまま受け取ると、成功するには人のことは全く気にせず、異端児になれ・人と違うことをやれ、それこそが成功の秘訣だ、と思えてしまうのですが、それでよいのでしょうか」という質問があった。

 これはSMIを始めた人が、初期の段階で陥るよくある悩みだ。そうした質問に、私はよくSMI創立者ポール・J・マイヤーのSMIを作った動機の1つをお伝えする。それは「成功は習慣の結果である。則ち難しいことを行うよりは、当たり前のことを上手に行うことに因る。」という言葉だ。これは当たり前のこと、常識の大切さを語った言葉でもある。また、これはこうした言い方もできる。真の成功とは、いつも常識に支えられて成し遂げられる。しかしその結果は、いつも特別なことをやった結果のように見えるものだ、と。

 今年の箱根駅伝で連覇を成し遂げた原監督は、先ずチームを強くするためにやったことは、学生に普通の生活、つまり常識的生活を取り戻すことから始めたと話しておられる。また、大学ラグビーでやはり6連覇を成し遂げている帝京大学ラクビー部の岩出監督も、過日のラジオ番組のインタビューで全く同じことを語っておられた。

 私も多くの会社で多くの社員の成長する姿を見ていて感じることは、常識ある社員が一丸となって明確目標を目指し、やるべき事を素晴らしく上手にやり遂げた時に、その会社は途方もない素晴らしい成果を上げる組織になっているということだ。結局は、常識ある社員こそが素晴らしい(非常識な?)成果を上げ、会社に貢献しているものなのだ。

 ポール・J・マイヤーのSMI創立の動機となった「成功は習慣の結果である。則ち難しいことを行うよりは、当たり前のことを上手に行うことに因る。」、この言葉はSMIを学ぶ上だけでなく、人生をおくる上でのあらゆる事に於いて重要な言葉だ。私は、人を指導していく上でも良き社会生活を送る上でもいつも心していきたい言葉だと思い、いつも自分に言い聞かせている。当たり前、常識の積み重ねこそが人格と品性を作るのだと。(小杉)   2016年3月23日

平成28年2月

 現代に本物の『学者』はいない!?

 今月より、SMIビジネス塾では論語を本格的に学び始めた。皆で漢字に悪戦苦闘している。しかし、読むたびに色々な発見と気づきに驚かされる。論語は2,500年前の孔子の言葉を弟子達が書き残したものだが、現代の言葉としても全く違和感がない。違和感どころか、現代を生きていく上でも多くの示唆を与えてくれる。

 現代批評を確立した小林秀雄は、「信じることと知ること」というタイトルでの講演の中で「僕らは今、月に行けるでしょう。科学の方法が僕らを月に行かせてるのです。それは、僕らが行動の上において、非常な進歩をしたと言うことです。けれども、僕らが生きていく知恵というものは、どれだけ進歩していますか。例えば論語以上の知恵が現代人にありますか、これは疑問です。・・・」と言っている。

★「子曰く吾十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順う。七十にして心の欲する所に従ごうて、矩を踰えず。」 
『十五歳で学問をする志を立て、三十歳では精神的にも経済的にも独立する。四十歳で人生問題で惑いが無くなり、五十歳で天から与えられた使命のなんたるかを知る。六十歳では経験豊かな耳には、何を聞いても驚かなくなっている。七十歳ともなると、修養が完成しているので、自分の心のままに行動しても、決して道を踏み外すことはなくなったという。』
 今私はこの孔子の言葉を実感している。ことに精神的なこと、魂に通じるものは知識として理解するなら年齢は関係がない。しかし、こうした言葉の重みを実感するには年を重ねることが絶対に必要だと言うことを。

★「子夏曰く、賢を賢として色に易え、父母に事えて能くその力を竭し、君に事えて能くその身を致し、朋友と交わり、言いて信あらば、未だ学ばずと曰うと雖も、吾は必ずこれを学びたりと謂わん。」
『学問というものは人道のほかには存在しないというのが孔子の教えであり、実行できる実際学以外に学問はないと断言している。こうした言葉のように生きている人を、孔子はすでに学問が完成した人だと言う。人道の大もとをつかんでいるからだ。またこれができる人は商人でも農工業者でも、立派な学者以上の人といえる、とも言う。』
 小林秀雄の本に、「江戸期以前の学者と言われる人は、真理や普遍性に沿って人の道を語れる人のことを『学者』と言った。だから現代の学者やインテリのように、知識はあるが人の道は語れない、そういう人を『学者』とは言わなかった。」と書いてあったと記憶している。これは孔子の言葉と一致する。とすると現代は真に『学者』と呼べる人はほとんどいないことになる。しかし、そうした立場の人がSMIのトータルパースンを目指し、人の道を求めて、周囲に善き影響を与えていくなら、真の学者になったこととなる。

★「子曰く、学びて時にこれを習う。また説ばしからずや。朋遠方より来たるあり。また楽しからずや。人知らずして慍らず。また君子ならずや。」
 『学んだところが自ずから真の知識として我が身に体得されてくる。これはまたなんと愉快な事ではなかろうか。このようにして修養を積むと自然、共鳴者、又は同志の者ができて、遠い所からまで慕い訪ねて来るようになるであろう。これはまたなんと楽しいことではなかろうか
 今、私もSMIイズムを深く理解したクライアントと、人生や人物を語り合える時が至福の時となってきた。それに優る喜びはないと感じる。嬉しいことに、クライアントも同じことを私に仰って下さる。

 少しずつ論語の面白さを感じられるようになってきた。特に声にして読むとき論語を学んでいると実感をする。固くなってきた頭と声帯を鍛えるためにも、この読む実践を続けていくと決意している。(小杉)  2016年2月20

平成28年1月

『品性』が運命を決める!    

 明けましておめでとうございます
 SMIクライアントにおかれましては、新しい年を良き期待を持ってお迎えのことと思います。

《日本人の品性》
 さて、アインシュタインは日本を愛した人でした。1922年に来日した折に「これほど純粋な人間の心を持つ人は何処にもいない。この国を愛し尊敬すべきである。」と言う言葉を残しています。また、「私は色々な国を見てきた。欧州においても、日本人のように落ち着いた華麗さと、威厳を持った国民を見たことがない」とあのペリー提督も語ったと言われます。

《多くの日本人は『論語』を学んでいた》
 そのように、多くの外国の人を驚愕させた日本人の品性はどこで磨かれたのでしょうか。それは江戸期の武士を初めとして、多くの日本人が学んでいた『論語』にあるのではないかと思います。論語は日本人の精神の形成に最も大きな影響を与えた古典と言って間違いないでしょう。江戸期の思想家伊藤仁斉は、論語を『宇宙最高の書』と讃えました。また現代批評を確立した小林秀雄は「論語以上に人間の生き方を説いたものが今の世にありますか?いまだにないのです」と断じています。そのように『論語』はいつの時代にあってもリーダーや組織が抱える問題解決の糸口、そして混迷の時代にあって常に社会の道しるべとなって来ました。

《品性が運命を決定する》
 SMI創立者ポール・マイヤーは「成功の25の鍵」という本で「名声は霞であり、人気は偶然であり、富は翼をつけている。ただ一つ永続するものは品性である。(ホウレイス・グリーリー)」という言葉を引いて、人間は品性しか残せないことを書いています。そして「◆考えの種を蒔けば行動を刈り取り、◆行動の種を蒔けば習慣を刈り取り、◆習慣の種を蒔けば品性を刈り取り、◆品性の種を蒔けば運命を刈り取る。」と言い、品性が運命を決定すると書き、そのためにも心構えを磨き続けることを説いています。

《古典で品性を磨く》
 では、そうした品性を磨く最良のものはどこにあるのでしょうか。それは上記のように昔の日本人がやってきたように古典にあります。我々現代人は今一度古典を見なおし、触れていくべきです。弊社で主催するSMIビジネス塾は昨年、一昨年と自己啓発の古典的名著「人を動かす」「道は開ける」をテキストとして好評を博しました。今期は別紙の通り上記の『論語』を学びます。『論語』を通し、多くの方と日本人と品性についても考えていきたいと思っています。

 最後にポール・j・マイヤーの言葉をお届けし、新年の挨拶とさせて頂きます。
『貴方は人生の値打ちをどのように測るだろうか。富か権力か名声によってか。時があなたの全ての行動を記録した所で、これらは色あせる。子供たちはあなたがどんな人であったかをどうやって思い出すだろうか。トロフィーや表彰状を思い出すだろうか。否。子供たちはあなたがどう笑い、どう愛したかを思い出す。それはあなたが魂の羊皮紙に書くことなのだ。あなたは何を宝とし、何を愛でるか。あなたが達成する目標をどのように測るか。豊に存在する生命、心こそ真実なのだ。愛、喜び、そして、平和こそが後世に残る宝なのだ。』 ポール・j・マイヤー (小杉)  2015年初春 


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