平成30年SMI雑感

12月 一隅を照らすモティベーターとして生きる
11月 山梨県が全国一の健康長寿県の理由!?
10月 「ウサギとカメの童話」、カメの勝因は!?
9月 「あなたは何に熱中していますか!」
8月 “小さな大成功者”尾畠春夫さん!
7月 SMIは2万冊の内容が収まっていますね!
6月 「誰がために鐘は鳴るやと・・・」
5月 社長、私の給料は下げてください!
4月 「SMIは私の人生のバック・ボーン!」A
3月 「SMIは私の人生のバックボーン!」@
2月 「そだね〜」が組織を活性化する
1月 「仕事−ハイ大好きです」


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《平成30年12月》

一隅を照らすモティベーターとして生きる


 私は「ラマンチャの男」の主題歌が好きだ。この歌の一節に「・・・たとえ嘲笑されたとしても、私という一人の人間の存在で世の中がほんの少しでも良くなるのなら、私は最後の勇気を振り絞り、命尽きるまで私の夢に向かって歩み続けます」とある。
 私はこの歌詞を毎日アファームしている。師走となり、勇気を貰えるいくつかの朗報が私にも届き、上記の詞のまねごとが少しできているのかなと思い、嬉しくなった。


★「地区大会三位になりました」
 私は年に数回、新潟県立M高校の女子バレー部の心構えの指導をさせて頂いている。先日、その部の顧問S先生と電話で話した。その中で先生が「小杉さんのセミナーの甲斐もあって、(選手が少ない中にあっても)三位入賞ができました。昨年の優勝(※創部以来の初優勝)より今年の三位の方がずっと価値ある結果なんです」と言われた。
 大会の5日前にSMIのセミナーをやり、生徒達全員が申し合わせたように「三位入賞」の目標設定をしていた。その行動計画がしっかりと書けており、私は感心していた。先生もそうしたものを感じていたようで、これならいけるぞと思っていたとのことだった。やはり行動計画の実践が鍵を握ることをあらためて考えさせられた。


★「土光さんを知りSMIが実践でき、生き方を見直せた一年でした」
 今年のモーニング・アカデミーでは、名経営者に学ぶということで、第4代経団連会長だった土光敏夫を取り上げた。
 そうした中でモーニング・アカデミーに参加している保険代理店の経営者S氏が、土光敏夫の生き様に魅せられてしまった。率先垂範で、賤しい生き方を徹底して嫌う土光さんに惚れてしまったのだ。この1年で土光さんの本を20数冊も買い求めた。また東京に行った折には、足を鶴見まで伸ばし、土光さんの母が戦時中(昭和17年)に創立した橘学苑を訪問し、学苑関係の方と土光さんのことを語り合ったという。
 長年、土光さんの生き方を多くの人に知ってもらいたい、と思っていた私の思いはSさんのお陰で実現した。Sさんは60歳近くになった今、SMIと土光さんに触れ続け、新たに人生に挑戦しようと毎日をいきいきと送っておられる。やはり“真理や普遍性“は人を通して伝わった時、大きな力になることをあらためて実感させて頂いた。


「全員がSMI社内塾を続けて欲しいと言うんです」
 新潟市東区に、スズキに勤務以来のお付き合いが続くS商会がある。二輪の販売店なので冬期のSMI社内塾を何年も続けてきた。この地区は二輪の激戦区でもあるのだが、大型二輪店としてはS商会さんだけになった。社長は良く「SMIと小杉さんのお陰で、ここまで続けてこられたんです」と仰って下さる。
 現在3代目となる息子さんも専務として頑張っている。専務も他店で修行され8年ほど前に会社に戻ってこられた。その際にはSMIの早朝ミーティング、夜のビジネス塾と、掛け持ちで参加され100%の出席率で学ばれた。そうした姿勢がスタッフにも認められ、今年の3月より専務という立場に立った。
 11月に「社長、今冬の社内塾はどうしますか」とお尋ねしていた。過日、社長より電話を戴いた。「何度もやっているので、今回は皆にどうするか意見を個々に聞いてみたんです。そうしたところ、7名全員が“是非今回もやって欲しい”と言うんです」と言われる。S社長も嬉しかったと言っておられたが、私も嬉しかった。このS商会さんの塾では、塾生よりプライベートの相談等も多々あったので、その後のことも気になり、是非やって欲しいと思っていた。こうしたことも一隅を照らすことなのかな、と思うと嬉しくなった。

 ポール・J・マイヤーは「SMIビジネスは愛と奉仕の心がないと続けられない」と説いていた。そうしたことの意味も少し分かるようになってきた。一年の終わりに当たり、多くの方より「SMIのお陰で・・」「小杉さんのお陰で・・」という声を聞かせて頂き、来年も一隅を照らすSMIモティベーターであり続けようと決意させて頂いた。

 SMIクライアントの皆様、今年もSMI雑感をお読み頂きありがとうございました。良いお年をお迎え下さい。  小杉  2018/12/25

 
《平成30年11月》

 山梨県が全国一の健康長寿県の理由!?


過日のNHKの番組、「AIに聞いてみた」が、本好きの私にとってとても嬉しい情報を提供してくれた。

《山梨県が全国一の健康長寿県の理由!?》
要介護にならない人(※ピンピンコロリと逝く人)の特徴は、ということで41万人の65歳以上の高齢者を、600項目に渡って調べた。その結果、際立った最大の特徴は「よく読書する」ことであったというのだ。正に我が意を得たり、だ。

それらを証明するデータとして、山梨県の特性を取り上げていた。山梨県は人口比率の割合で圧倒的に図書館が多い。全国平均が10万人当たり2,6館に対し、山梨県には7館と3倍近くある、また図書館司書の人数も全国平均の倍近くだ。

図書館が多いということは、読書そのものによる脳を刺激する効果もあるが、図書館までの移動、また図書館内で歩くことも健康に役立っているという見方もある。確かに画面でインタビューに答えた人は「図書館までバスで来て館内を動き回り、万歩計が4000歩近くになっています」と答えていた。(※NHKのHPを見ることをお薦めする)

アメリカで3,600人の高齢者を、読書をするチームと読書をしないチームと調査をしたところ、読書をしないチームの寿命が平均10年だったのに対して、読書をするチームは12年だった。また、日本の調査でも、図書館がある地域の要介護度の割合が低くなる傾向は以前より指摘されていたと言う。
 番組では「病院を作るより図書館を立てるほうがずっと安上がりですね」等という指摘もあった。政治家や文科省、厚労省のお役人さんにも聞いてもらいたい話だなと思った。

《リーダーは読む人です》
今年のビジネス塾のテーマは「土光敏夫に学ぶ」だ。土光さんは、人間の本質を見抜いていた三鬼陽之助、城山三郎という著名な評論家に「戦後最高の経営者と言っていいだろう」と言わしめた人だ。その土光さんもモーレツな読書家だった。その読書が土光さんの健康と長寿につながっていたようだ。

『家では、朝、目が覚めると、寝床の中でまず本を読む。読経、散歩、木刀振りの後、新聞を読む。会社や経団連でも、暇さえあれば本を読んでいた。家に帰ると書斎に入りっぱなし。夜9時のNHKのテレビニュースを見た後、10時ころ寝床にもぐるが、また、そこで約1時間、読書。書斎にも寝室にも読みかけの本が散らばっており、土光の読書法は、TPO。時間と場所と場合によって、読む本が違うのだ。国内や海外出張にも、必ず本を携行していく。

「土光さんは大変な読書家だ。それも技術、経済、宗教、歴史など実に幅が広い。海外旅行の時も必ず2〜3冊の本を持参する。同行した私が朝早くホテルの部屋をノックすると、いつも何かを読んでおられる。土光さんはよく、『読書の楽しみは、著者と静かに対話が出来る点にある』という。『読書は単に新しい知識を得るためだけではない。著者との真剣な対話の中から自らの創造的思考を生み出す機会を当ててくれる』というのが、土光さんの読書哲学である。「ボクが本を読む時は、人と付き合うのと同じように、いつも問答をしながら読む。ちゃんとした人の書いた本でも、全部が全部、正しいとは限らない。そして、いいことが書いてあれば、どんどん取り入れることだ」』※居林次雄著「財界総理側近録」より

SMIのEPPプログラム(個人生産性プログラム)に「リーダーは読む人です」とある。リーダーは責任を果たしていくためにも、速く読み、記憶する力が必要になるという。そしてそうした行為そのものが能力を高めるとも説いている。正に土光さんはそれを実践したリーダーだった。そうしたモーレツな読書も土光さんが92歳の天寿を全うされた一要因だったのだと、あらためて思った。
小杉(2018/11/28)
《平成30年10月》

「ウサギとカメの童話」、カメの勝因は?

 SMIでは「成功とは価値ある目標を前もって設定し、段階を追って実現していくこと」と定義している。先月このSMI雑感で書いた、事を楽しむことにおいても、成功を考える上でもこの普遍性の言葉が重要な鍵となる。その鍵の一つは「価値ある目標」であり、もう一つは「段階を追って実現する」の2点だ。

 この2点を理解し実践する上で、イソップ物語の「ウサギとカメの童話」が役に立つ。それはウサギの敗因を考えるよりカメの勝因を考える時、より明解になってくる。そのウサギとカメの話しを、ビジネスの先輩である大阪の(株)サクセスなにわ田中得夫社長がメルマガで分かりやすく紹介していた。とても素晴らしい内容なので、田中社長より了解を得て下記に掲載させて頂くこととした。先に記したように、負けたウサギの敗因ではなくカメの勝因を考えながら読んでもらうと特に役立つものと思う。

◆下記は、鹿児島出身の落語家三遊亭歌之介師匠の体験談です。【私は普通の高校を卒業し落語の世界に入りました。林家コブ平は故林家三平(九代目林家正蔵)の長男で、いわば落語界のサラブレッドです。私はその林家コブ平と一緒に真打になりました。
 その披露の席で、マスコミは一斉にコブ平の方へ押し寄せ、私の方には見向きもしません。余りの悔しさに席を飛び出し、行先があったわけではなく来た電車に飛び乗りました。

 そこで時々声をかけてもらっている故養田実社長(ジュポン化粧品本舗・SMIクライアント)とバッタリ出合ったのです。穏やかならぬ私の顔を見て、「どうした!」と尋ねられました。
 事情を話したところ、養田社長は「ウサギとカメの童話があるだろう。ウサギはどうして、のろまなカメに負けたのか?」と言われたので、私は「ウサギはいつでも勝てると油断があったのです。人生は油断してはいけないという戒めの童話だと思います。」と答えました。すると「本当にそう思っているなら,零点の答えだ」と言って、次のような話をしてくださったのです。カメにとっては、相手はウサギでもライオンでも、なんでもよかったんだよ。なぜならカメは全く相手を見ていないんだから。カメにとって重要なことは、山頂に立っている旗、つまり自分の目標だ。それだけを見つめて歩き続けたんだ。一方のウサギの方はどうだ、絶えず相手のカメばかり気にして、大切な目標を一度も考えることをしなかったんだよ。君の人生の目標は、コブ平ではないだろう。カメのように自分の道を歩み続けることだよ」と教えてくださったのです。私は、この養田社長の一言で迷いが吹っ切れ、落語家として自分の目標に黙々と歩き続けようと決心出来たのです】

◆私達は成功を、いつも自分と他人との比較において考えますが、視野が広がれば広がるほど、自分より成功している人がいることに気付きます。自分の成功は小さなものになり、心穏やかでありません。SMIの創立者ポール・マイヤーは「成功とは、自分にとって価値ある目標を、前もって設定し、段階を追って達成していくこと」と定義しています。この道で生きると決めたら目標に向かって黙々と歩み続けることです。

◆ところでウサギとカメの話には続き?があるのです。ウサギは「もう一度レースをしたい」と言ったのです。カメは、快く応じました。今度はウサギが勝ちました。レース終了後、皆で記念写真を撮ることになりました。勝ったウサギの横でカメが笑っているのです。ウサギは不思議に思い尋ねました。「なぜ負けたのに笑っているの?」カメは答えました。「最初のレースよりもタイムが良かったからだよ」意味深い!! 敵は相手ではなく、自分です。 (※田中得夫氏著「成功の道しるべ」より)

 上記で紹介した(株)サクセスなにわ(http://www.sgp-jp.com/)の田中得夫社長は、SMIグループ内きっての理論家だ。2万人のフォロワーを持つメルマガ『成功への道しるべ』を20年以上の長きに渡って書いてきた。SMIクライアントにも一度お読み頂きたい。きっとSMIプログラムの新たな活用法、潜在意識の奥深さや面白さを再発見されることと思う。 小杉 (2018/10/30)


《平成30年9月》

 「あなたは何に熱中していますか!」

 先日の毎日放送の“情熱大陸”で、先月書いた尾畠春夫さんが「魂のボランティア」というタイトルで紹介されていた。番組を見て改めて感じたことがあった。尾畠さんが、被災者のことを心から案じながらも、ボランティアという行為そのものは楽しんでおられる。

 私が最近とみに感じていることがある。それは、成功している人は皆仕事を楽しんでいる、ということだ。例えば、毎年のSMIクライアント大会での発表者。NHKの“プロフェッショナル”の登場人物。そして、私のクライアントの中でも特に成果を上げている人は、皆、挫折も経験するが、必ずその仕事に使命感と楽しみを見出している人達だ。今年のテニスの全米オープン覇者大阪なおみ選手も、「私がセリーナに勝てたのは試合を楽しむことができたからです」と言っていた。


〈あなたは何に熱中していますか!〉
 論語に「子曰く、之を知る者は之を好む者に如かず。之を好む者は之を楽しむ者に如かず」という章句がある。通釈は「孔子が言った。ある物事について、それを単に知っている者はそれを好む者には及ばない。しかし、それを好む者だって、その物事を楽しむ者には及ばないのだ」となる。 結局、最後に勝利し、笑う人は、事を楽しむ人だよ、という。SMIプログラムも、成功はゲームの極みとしてやってくる、そして、やはりその成功へのプロセスを楽しむことと説く。

 ポール・J・マイヤーの“モティベーションマンガ”に、『自分が何に熱中しているかに注意しなさい!』というタイトルで
ルター・パーバンクは、植物に惚れ込み(楽しみ)ました。 
エジソンは、発明に惚れ込み(楽しみ)ました。 
フォードは、自動車に惚れ込み(楽しみ)ました。 
ケタリングは、エンジンの研究に惚れ込み(楽しみ)ました。 
ライト兄弟は、飛行機に惚れ込み(楽しみ)ました。
 
自分が何に熱中しているかに大いに注意を払って下さい。なぜなら、それは必ず実現するからです、とある


〈自発的で主体的な行動、そして心の自由〉
 では、どうしたら仕事を楽しむことができるのか。これは1月にも書いたのだが、私の敬愛する元四代目経団連会長の土光さんは著書「経営の行動指針」の中で「・・・賃金と仕事の関わり合いについては、色々な立場からのさまざまな議論があろう。けれどもそれらを越えていることは、人間の喜びは金だけから得られないという一事である。賃金は不満を減らすことはできる。しかし、満足を増やすことはできない。満足を増やすことのできるのは、仕事そのものだと言わねばならない。仕事の報酬が仕事であるような仕事を作り出していくのは、容易な事ではない。そんな仕事は数多くは存在しない、という反論もあろう。しかし、それは間違った考え方だ。どんな仕事であろうと、それが自発的で主体的に行動できるような仕組みになってくれば、人々はそこから働き甲斐を感ずるようになるのだ。仕事の種類や程度よりも、仕事の仕組み、やり方が問題にされねばならない」と書いている。

 私が、面白さや楽しみを見出しずらい、と思った仕事の中に道路の改修等の交通整理があった。しかし、ある経営者より「私もやったんですが、あの仕事も面白いんですよ。自分の旗一つで、何百台、何千台も車をコントロールできるんですから」と言われた。土光さんが言うとおり、自主的に主体性を持って事に臨めば、心も自由になり、どんな仕事も面白くなるのだなと思った。

〈適度なリスクよる、適度なストレスが楽しみを生み出す〉
 以前観た動物番組で、ゾウのストレス解消の話しをしていた。ある動物園でゾウが強いストレスに陥り、食事をしなくなった。そこで飼育員が相談し考えた。今まで食べやすいようにとデンとゾウの目の前に出していた食事を、ゾウの檻の中で、適度に見つかりずらくし、少し努力し探さなければ食べられない、という状況をつくってみた。それが見事に的中した。その食事の出し方で、当然ゾウは自ら食事を探さなければならなくなった。最初は戸惑いもあったが、あっという間にその状況に慣れ、元気を取り戻し、ストレスが全く無くなっていった。

 SMIプログラムも働く喜びの一つとして「リスクを負う喜び」をあげている。尾畠さんも、わずかなTV放映の中でも、多くの困難に遭遇していることがわかる。そうした困難があるからこそ、ボランティアが人生をかける価値のあるものになった。そうした困難も、今の尾畠さんには“楽しむ材料”の一つにさえなっているとも感じさせられた。 小杉 (2018/9/25)

《平成30年8月》

“小さな大成功者”尾畠春夫さん!

 酷暑といわれたこの暑い夏にあって、さわやかな涼風を全国に送った人がいる。山口の行方不明になっていた2歳児を発見した、大分のボランティア尾畠春夫さんだ。

《“小さな大成功者”尾畠春夫さん》
 新聞、TV、そしてネットといった多くのメディアが、尾畠さんの経歴やボランティア活動を紹介していた。この人はSMIで言う成功者であり、“小さな大成功者”だなと思った。私には、職業柄どうしてもSMIイズムに当てはめて考えてしまう癖がある。

 SMIのDPMプログラム、レッスン3の「成功とは何か」に照らしてみると、尾畠さんはまさしく“立派な成功者”と説かれている。

「成功とは、単なる金銭上の蓄積以上のものを意味します。例え巨万の富を築こうとも、知的に不毛であったり、精神的に貧困であったり、社会からつまはじきされたり、感情的に不安定だったりすれば、悲劇的であり、そういう人達は成功しているとはいえません。同様に、富を築くことで健康を害した人や、家族や友達のいない人も成功者とはいえません。銀行預金や経済状態にどんなに余裕があっても、お金のためだけに生きている人は成功者でもないし、幸福な人でもありません。その反対に、物質的な財産は少なくても、価値ある目標を達成し、他の人達に利益を与えた人々は、“立派な成功者”であると見るべきです。」

 SMIでは「成功とはその人にとって価値ある目標を前もって設定し、段階を追って実現すること」と定義する。尾畠さんは65歳の時鮮魚店を閉め、それまでの人生の恩返しをすべく、ボランティアになったという。まさにそれは65歳の尾畠さんにとって最も価値ある目標だった。そして、その実践の仕方は、次の言葉に集約されている。「後ろ向きで得することなどありません。だから自分はプラス思考という言葉が大好きなんです。」「夢を持ち続けるっちゅうことじゃないですかね。夢を持ったら、それを目標にし、計画を立てて、迷うことなく実行するのがいいんじゃないですか。私はそうしてるんです」こうした言葉はSMIイズムそのものだ。

《善行は失敗のない唯一の投資である》
 尾畠さんは感情移入の人であり、徹底して相手(被災者)の立場で考える人だった。あの機知に富んだおしゃべりも、背中の大分県の文字も、赤いツナギも皆被災者のためだという。尾畠さんのように善行に徹して生きている人には、我々凡人の常識では「ありえない」と思うことが、日常起きているようだ。

 150人の捜索態勢の中、30分足らずで行方不明の2歳児を見つけたこと。また、テレビの画面で、何度も目にした尾畠さんの愛車は軽自動車だが、13年間乗り続け、20万キロ走っている。しかし、一度も故障は無く、心強い相棒だという。それから、健康保険証は11年間一度も使ったことが無い。パックご飯に即席ラーメンがメインで、時々身体に良い山野草を摘み、油炒めで食べるのが食事だ。一般的には、あまり耳にしたことのないそうしたことを聞くにつけ、やはり尾畠さんは天に守られている人なんだなと感じてしまう。

 私は尾畠さんのそうした生き方を聞きながら、「善行は唯一失敗のない投資である」というアメリカのヘンリー・ソローの言葉を思い出した。もちろん尾畠さんには「投資」などという考えは微塵もないだろうが。また、昔の人は言った。「積善の家に必ず余慶有り、積不善の家には必ず余殃(わざわい)あり」と。
 尾畠さんは正にそうした言葉の真実性を、ボランティアという生き方で証明してみせてくれている。このところ、尾畠さんの同年代の権力をもった人達の不祥事が続いただけに、尾畠さんの善行は、私の心に異彩を放って強く刻まれた。 小杉(2018/8/26)


《平成30年7月》

SMIは2万冊の内容が収まっていますね!

〈2万冊の内容が収まっていますね!?〉
 過日のモーニングアカデミーの担当は精密機械の設計と製作会社を経営しているK社長だった。K社長も読書家で物事をを突き詰めて考えられるタイプの方だ。

 今回のDPMのレッスン7(※DPM・L7;積極的な心構えの涵養)をまとめていて気づいたことがあったという。それは以前に読んだ500ページ近くある「道は開ける」(デール・カーネギー著)の内容を、SMIはこのレッスン7の後半の半ページで全てを表現していた、ということだった。私はその話を聞き、私がこのビジネスを始めた頃に、ベーシック・トレーニングの名物トレーナーだったS氏が、「私のクライアントで、大学の講師をやっている方が、SMIプログラムは書店や図書館に並んでいる自己啓発書や思想・哲学の2万冊に匹敵する内容が収まっていますね、と言っていた」と話していたのを思い出した。

 具体例の多い「道は開ける」の著者デール・カーネギーも、「私が真に言いたいことは半ページに収まる」と書いていた。
 私がそうした話しを皆さんにしていたら、モーニング・アカデミーのレギュラーメンバーのMさんが「DPMが2万冊なら、もっと内容が奥深いEPL(パーソナル・リーダーシッププログラム)は5万冊の内容が入っていることになりますね」と笑いながら言った。私も、全く具体例がなく、高度で、反復のしがいがあるEPLプログラムは、そうかもしれないな等と思った。
 
〈反復に耐えられるよう、無駄を徹底して削いだSMI〉
 では、SMIプログラムは500ページの内容をなぜ半ページに収めたか。それこそが、SMIプログラムの魅力であり、一生涯の反復に耐えられる理由だ。SMIは反復に耐えられるようにするため、無駄を徹底的に削いだプログラムだ。

 SMIプログラムに長年触れ続けてきた人が気づく点の一つに、プログラムの中の具体例が煩わしく聞こえてくることがある。サーカスのゾウの話しや人形工場での少女の話、壮大な絵の話しをした画家が全く絵を描けずに死んでいく話等という具体例は、プログラムを学び始めた頃はワクワク・ドキドキしながら「なるほどな」と新鮮な気持ちで聞いたものだ。しかし、それが1ヶ月、半年、1年と聞き続けてくると、それらの具体例は「もういいな、わかってますよ」という思いがし、そこが煩わしくさえなって、飛ばして聞きたくなるのだ。

 SMIプログラムには具体例が殆ど入っていないのだが、それでもそうしたわずかな具体例が気になってくる。以前、そうしたことが分からない頃は、あるSMIクライアントが「SMIはもっと具体例を入れれば、もっと良いプログラムになるんですがね」と言っておられ、私もそう思ったものである。しかし、今は、もしSMIが普遍性の言葉より具体例の多いプログラムだったら、深く物事を捉えることもなく、反復に耐えられず、とうに投げ出していたことと思う。

〈普遍性と真理の言葉だけが反復に耐えられる〉
 ポール・マイヤーは反復に耐えられるプログラムを、ということでSMIプログラムをつくった。それは反復に耐える言葉でつくる、ということだ。
 普遍性を持った言葉、真理の言葉だけが反復に耐えられる。反復に耐えられるだけでなく、EPL(※リーダーシップ・プログラム)にあるように「既知の事柄(言葉の反復)から出発して、未知の分野(世界)へ進んで行きます」となり、普遍性の言葉や真理の言葉の反復は、我々の精神をもう一段上の世界へと導いてくれる。そして、それをクライアントと確認しあうことは、正に論語の「・・・学びて時に之を習う、また悦ばしからずや。朋有り遠方より来たる、また楽しからずや。・・・」で、それがSMIを学ぶ大きな喜びになっていく。

 私は、長年のSMIクライアントに時々尋ねてみる。「プログラムの具体例は面白いですか、それとも煩わしいですか」と。もし、「具体例が煩わしくなってきましたね」と答えたなら。その方はSMIを徹底して反復されており、プログラムを深く理解し、SMIを生涯の伴侶とされていくことは、ほぼ間違いない。 小杉(2018/7/20)

平成30年6月

「誰がために鐘はなるや・・・」

 今、遺伝子等の研究が進むと共に、SMIイズムが科学においても証明されることが増えてきた。そうしたことを知るにつけSMIイズムで生活することが最高の健康法と思うようになった。

〈生きがいは人間関係から生まれる〉
 私は30年前にDTMプログラム(時間経営プログラム)を採用し、学び始めて驚いた。時間経営のプログラムなのに、何度も人間関係の重要性が説かれていた。私は時間経営は単にテクニックと捉えていたので、人間関係と時間経営が繋がらなかった。
 プログラムには「あなたの仕事上、重要な人と近づきになるために、あるいは家族のために、あるいは社会生活のために時間を投資することは、有益な時間の使い方です。このように使った時間は金銭では測り知れない報酬をもたらしてくれます。人生を本当に生き甲斐のあるものにしてくれるのは人間関係なのです」とある。また「あなたの経験や友情によって、もしも救われるという人がいるのでしたら喜んで自分を分かち与えること、・・・・・自分自身を分かち与えることによって経験する成長には測り知れない価値があるのです」ともある。
 これらのフレーズを、深くきちんと捉えていくと、時間経営は与える人間となり、良き人間関係を作っていくことが鍵となることが理解できてくる。

〈科学が証明するSMIイズム〉
 過日、NHKの「ためしてガッテン」を観た妻が、 今回は、寝たきりを防ぐために人間関係が一番重要、という内容だったという。早速再放送を観た。その内容は正に前記の「生きがいとは人間関係なのです」というプログラムの内容を証明するものだった。

 その要点はこうだ。
@日々の行動次第で、遺伝子の働きかた(発現)が変わる;「カリフォルニア大学ロサンゼルス校のスティーブ・コール教授の研究によると、「人に親切な行動」を1日3回1ヶ月間行った人では、体内の炎症を促す遺伝子の働きが抑えられることが分かった。
A孤独が炎症を進めて健康を害する;ロンドン大学の研究では、50歳以上の男女6500人の「人との繋がりを」調べ、7年間追跡調査を行ったところ、人との繋がりが少ないグループの方が1.5倍死亡率が高いことが分かった。また「人との繋がりが少ない」と「体内の炎症が高まる」ことも分かった
B世界が証明した健康寿命、最強の条件;アメリカで30万人を対象とした調査で、長生きに影響を与える要因を調べたところ、肥満解消、運動、禁煙よりも「人との繋がり」が長生きに一番影響が大きいことが分かった。実際の例として、老人夫婦が紹介されていた。人との関係は少ないが一万歩を毎日歩く夫と、色々なサークル活動をするも全く運動しない妻では、圧倒的に妻の健康度の方が高かったことが報告されていた。

 これらを一言で言えば「あなたは人間関係を大切にした生活をすれば、1,5培健康になれる」、となる。

〈誰がために鐘は鳴るやと・・・〉
 そして、プログラムではレッスンの最後、ジョン・ダン(17世紀の英国詩人)の詩「誰がために鐘は鳴る」を紹介している。この詩は一人ひとり誰もが大切な人であり、一人ひとり誰もが全ての人と繋がっていると、高らかに謳っている。

 なんぴとも一島嶼(いっとうしょ)にてはあらず
 なんぴともみずからにして全(まったき)はなし
 ひとはみな大陸(くが)の一塊(ひとくれ)
 本土のひとひら そのひとひらの土塊(つちくれ)
 波のきたりて洗いゆけば
 洗われしだけ欧州の土の失せるは
 さながらに岬の失せるなり
 汝(な)が友どちや 汝(なれ)みずから荘園(その)の失せるなり
 なんぴとのみまかりゆくもこれに似て
 みずからを殺(そ)ぐにひとし
 そはわれもまた人類の一部なれば
 ゆえに問うなかれ
 誰がために鐘は鳴るやと
 そは汝がために鳴る成れば
  ジョン・ダン(大久保康雄訳)

 人間関係を大切に生きることは、全ての者と繋がることとなり、全てから恩恵を受けるこにもなる。あのサンーグテジュベリも人生をこう結論づけた
 「人とのふれ合い以外に喜びの訪れる希望はない」
と。混沌とした不確かな時代であればこそ、出会いに感謝し、人との関係を大切にし、生きがいがある人生にしていきたいものである。 小杉 (2018/6/26)

《平成30年5月》

社長、私の給料は下げてください!


  平成14年に始まったSMIビジネス塾は、今年で第15期となった。経営者・社員・自営業の方、また時には主婦といった方も学びに来られた。やはり、そうした中で、長年学び続けている人は色々な体験があり、その体験談がまたSMIビジネスへの励みとなる。

〈社長、私の給料は下げてください!〉
 ここ数年、ビジネス塾に参加し続け、今期は皆出席を目指している不動産関係の会社を経営されているS社長より素晴らしい体験談があった。 

 年度が替わることもあり、社員の給料を上げようと考え、ある部所の3人の社員に伝えた。皆、単純に喜んでくれるだろうと思っていたが、その3人の反応は全く違っていた。
1人目は「ああ、そうですか!」と喜んだ。
2人目は「そうですか、でも経営に負担になるのでは」と言い「私はこのままでいですよ」と言った。
3人目は「いや、私はいいですよ。私は歳だし、給料分働けていないのではと悩んでいたので、社長、私の給料は下げてください」と言った。
まるでヨーロッパの古典によくある寓話のような話だなと思った。しかし、S社長の塾で話される体験談がいつも驚かされる内容なので、S社長の会社らしいなとも思った。

 そうした一般的には、あまり考えられないような体験談をS社長はよくされる。それをS社長は10年前にDSMプログラム(SMIマネジメントプログラム)を採用し、社員を信じられるようになってからと言われる。そして昨年EPPプログラム(SMI個人生産性プログラム)も採用し、会社の未来を常に考え、人の悪は言わず、どんなことが起きても前向きに受け止める。そして一人ひとりの人間を尊重するというSMIイズムを確実に実践しておられるからと、私は受け止めている。今回もそうしたこが社員との信頼関係を築き、その成果としてベテランの社員の「私の給料は下げてください」という言葉になったものと思う。

〈オヤジ小遣い送ってくれるか?〉
 もう1つ素晴らしい体験談がある。SMIビジネス塾に第1期より参加して、やはり不動産関連の仕事をされているW社長の大学生の息子さん(Y君)の話だ。その体験談にも感動した。

 そのY君が、ある会社のアルバイトをしていた。その爽やかで素直な働きぶりで、会社の社長以下皆よりY君は大変な信頼を得ていた。ある時、その会社でイベントがあって10名ほど人員が不足する事態が起きた。そこでそのY君に人員の確保を頼んできた。そのY君が所属する剣道部の仲間を連れてきてくれないかと依頼された。Y君は「わかりました」と引き受ける。そして当日20名以上の部の仲間を引き連れ、会場に来た。

 そうした甲斐もあって無事イベントは終了した。しかし、困ったことが1つ起きた。それは会社の方でバイトの予算として10名分しか用意していなかった。そのため10名以上のバイト代が不足することになった。それにはY君も困った。しかし、Y君のやったことは大人顔まけで、今の政官界の人達に聞かせてあげたいような話しだった。その不足分を今まで自分で残してきたお年玉や小遣いをかき集め、全部自腹で払ったのだ。そのため自分の小遣いが無くなってしまい、前掲のタイトルの、父への電話となった。

 私は、その息子さんの子育てをW社長からよく聞いていたので、そうだろうなと思った。W社長の子育ての方針は、よくコミュニケーションを取り、徹底して話し合う、だった。子育ての途中で採用されたSMI−MOC(メイキング・オブ・チャンピョン)のテキストも父子が話し合う格好の話題となったという。そうした姿勢がセルフ・イメージの要となる自己肯定感を育んだ。今回の体験談もそうした結果と確信している。話を聞いた塾のメンバーから、「その息子さんならどこの会社もほしがるだろうね」と、賞賛の声が上がった。

 SMIモティベーターはそうした体験談に勇気づけられる。そしてもっと多くの人にSMIを知ってもらわねばという使命感を感じる。またこれからも、多くの体験が聞けるよう私自身も精進していかねばと思った。そして、SMIを共に学び、体験を分かち合える人達がいることに感謝させて頂いた。 小杉(2018/5/25)

《平成30年4月》

 「SMIは私の人生のバック・ボーン」A

 先月のSMI雑感で、モーニングアカデミーのメンバーのMさんが「SMIは私の人生の背骨になっています」と言っておられることを書いた。今月はなぜSMIプログラムが人生のバック・ボーンになり得るのかを考えてみたい。

《成功はあなたがどういう人間であるかで決まります》
 SMIの基本プログラム(DPMプログラム)の冒頭に「成功は、あなたが何をするか、どのように行動するかの結果であるよりも、あなたがどういう人間であるか、ということから自然に生まれる結果です。(そして)あなたをどういう人間にするかはあなた自身が決めることです。」(※DPMプログラム Lesson2より)とある。

 ここで先ず考えなければならないことは、「成功はあなたが何をするか、どのように行動するかの結果より・・・」ということだ。多くの人が単純に漠然と成功はどう行動したかの結果と考える。私も多くの人材育成手法や自己啓発法に触れてきた。それらは殆どがプログラムのこのフレーズとは全く逆の、単なる行動のためのHOW TO物だった。同じ行動をしても心構えによって結果は大きく変わってしまう。「オレはこんなに努力しているのになぜ結果が出ないのか」という人は殆どこのパターンに陥っている。

 その結果、「(成功は)あなたがどういう人間であるかということから自然に生まれる結果です。」といった真の成功を目指す上で最も重要な鍵となるこのフレーズは、一般的には全く無視されるか、理解されずにいる。そうした過ったアプローチの仕方が、向上心を発揮しようと立ち上がった人間を、逆に迷路へと連れて行ってしまう。

 一般的には、成功し善き人生を生きようとしている人は、善き人格を培おうとする。とすれば『真の成功 = 善き人格を目指しながらそれに近づこうと努力すること』とも定義できる。SMIは最終目的としてトータルパースン(全人格)を目指す。SMIは、そのことの実践に最適なプログラムだ。そうしたことが、SMIプログラムが人生のバックボーンとなることを意味している。

《不易と流行》
 この世界は「不易(絶対に変わらないもの)」と「流行(どんどんと変化していくもの)」で移ろっていく。SMIプログラムはいずれのプログラムも『テキスト』と『行動計画』によって成り立っている。テキストではこの世界と人間の普遍性(不易)を説く。その内容は64年以上前に説かれ、激賞され、多くの人の人生に、大きな影響を与えた。そして今も変わらぬ、いや変えようがないその内容で、世界の、民族、宗教、言語等を問わず多くの人にお役立て頂いている。

 そして、SMIはその「流行」に対して、『行動計画』の活用によって、「変化する」という実践を促す。SMIでは『行動計画』を通して、変化を受け入れよ、変化を起こしチャンスにしようと説く。それは人間にとって生涯続けていくべき責務であり、喜びでもあると思う。それがSMIプログラムが人生のバックボーンとなることを確実なものとしている。

《習慣を変え、心構えを磨いていくことが人生》
 人間行動の95%は習慣によって行われる。とすると自分を成長させ、磨いていくことは習慣(心構え)を変えることといえる。知識が増えて人間が変わるのではない。善き習慣を目指し実践し、それに磨きをかけ続けていくことが人間の成長だ。

 また習慣を変えることは、新しい生き方を選択することとも言える。習慣は『間を置いた反復』でしか変化しない。その『間を置いた反復』にこだわり、「習慣を変える、則ちそれを生き方になるまで実践する」といったことに、SMIほど徹底したプログラムがあっただろうか。それがSMIプログラムが世界で冠たる評価を得た理由であり、64年の長きに渡って、国を超え、民族を超え、宗教を超えて世界中に大きな影響を与え続けてきた理由だ。そのように、習慣を変えることを人間成長の柱と位置づけし、働きかけてくれるものは必ず人生のバックボーンとなる。

 今、政官界で不祥事が続いている。皆能力的には高い人達のできごとだ。そうしたことを観るにつけ、ポール・J・マイヤーの晩年の講演での言葉を思い出し、自分に言い聞かせている。 「ATTITUDE IS EVERYTHING!! 心構え、則ち考え方が全てだ!!」  と。   小杉 (2018/4/27)

《平成30年3月》

 「SMIは私の人生のバックボーン!」@

 今年のモーニング・アカデミーは1部をDPMプログラムの実践、2部は土光敏夫に学ぶリーダーシップ、と銘打って学んでいる。深く物事を捉えておられるメンバー各位とのこの学びは、人間を知る、自己を知る、ということおいて、素晴らしい時間になっている。

〈SMIプログラムか気付きのセミナーか?〉
 過日(3月25日)のミーティングでは、保険の代理店を経営され、20年以上にわたってモーニング・アカデミーを支えてくださっているSさんが、「SMIを採用する時に、丁度JCのメンバーより気付きのセミナーにも誘われていたんです。ですから、どっちにしようかと、だいぶ悩んたんです」と言われた。「もしあの気付きのセミナーだったら一時の興奮で終わっていたんだろうな」、と述懐されておられた。私もその話しを聞きながら、もしSMIに出会わずいたなら、あれやこれやとやって今も混乱していたんだろうな、と考えさせられた。

 私も、もしSMIを学ばなかったなら、昨年の10月このSMI雑感で紹介したように、アメリカのSMI本部のCEOランディー・スレクタが言った「・・・人々の真の変化と成長のプロセスを妨害するもの」、またポール・J・マイヤーが言った「心の綿菓子」「インスピレーションを与える一場面」である、そうした一時的なものやハウツー(how−to)ものに振り回され、人間の成功や幸せ、成長といったものが何であるかが全く理解できず、中年期にある今でも混乱し、右往左往していたことと思う。

〈SMIプログラムは人生のバックボーン〉
 今年のモーニング・アカデミーは、各レッスンを毎回メンバー一人ひとりに担当して頂き、司会もやって頂く。今回は長年のメンバーであるMさんが担当だった。Mさんは「SMIプログラムは私の人生の背骨(バック・ボーン)になっているんです」と、よくおっしゃっている。長年、SMIプログラムだけでなく、他のものも多く学んできたMさんの言葉だけに重みがある。

 Mさんは今回も司会をやりながら「私はSMIを採用した当初、あまりにもそれまでの自分の考えと違うので、そんなことないだろうとSMIを1つ1つ試してみたんです。しかし、結果はいつもSMIの言うとおりになり、そうした体験後は、よしじゃあ、SMIの言うとおりにやっていこう、と決めたんです」と言っておられた。

 また「今回も(DPMプログラムの)レッスン3『成功とは何か』を担当し、小杉さんがよく言っておられるように、やっぱりSMIは普遍性のプログラムだなと思いました。国、民族、宗教、イデオロギーが違っていても、誰にでも当てはまる内容だということをあらためて実感しました」とも言っておられた。

 このようにミーティングも各回で担当を変え、司会を変えやっていくと本当に大きな気付きと学びがある。毎回、担当者が私に対しても「この件について小杉さんはどう思いますか?」と問われる。時にはドキッとさせられる。「エッ、この考え・言葉に対して自分はどう思っていたのかな」と一瞬戸惑ってしまうのだ。正に論語の「子曰く、古の学者は己の為にし、今の学者は人の為にす。」だ。つくづく伝えるだけの立場ではいけないと、反省させられる。

 30年も続いているSMI早朝ミーティングだが、各メンバーの輪番制という方法で、今年もどんな気付きや学びがあるか、密かに胸をときめかせている。

 来月は「SMIは私の人生のバック・ボーン!」−Aとして、SMIがなぜ「人生の背骨(バック・ボーン)」になりうるのか、と言うことについて考えてみたいと思っている。小杉(2018/3/26)

《平成30年2月》

 「そだね〜」が組織を活性化する

 先日終了した平昌オリンピックは、日本は13個のメダル獲得で大いに湧いた。 また、今回の大会でも若い選手達が素晴らしい言葉を残していってくれた。努力する人間に、神はプレゼントとして素敵な言葉を与えるのかな、等と思ったりもした。

〈「そだね〜」は組織を活性化する〉
 銅メダルを勝ち取ったカーリング女子の言葉が注目を集めた。特に、北海道弁の代表的な言い方なのか「そだね〜」は、今から今年の流行語大賞と目されている。

 チームの空気(雰囲気)は、どういう共通言語を持っているかで決まる。それによって、チームメンバーの力が1+1=3にも10にもなるチームもあれば、そうした言葉がないために逆に1+1が1になってしまうチームもある。

 SMIのEPPプログラム(※個人生産性のプログラム)に「意思の疎通を楽しんで下さい。あなたが豊かな人間関係を築くと、その利益と満足感によってあなたは益々元気になり、多くの分野で成功を収めることが出来るようになります。開放的なコミュニケーションを行うと、アイディアが練られ、論じられてゆくうちに、チームのメンバーは自分の考えを定め、発展させ、そして結晶化してゆくようになりますます成功するようになります。」とある。

 カーリング女子は試合の中で「意志疎通を楽しむ言葉」と「開放的コミュニケーション」の言葉が飛び交っていた。そうした言葉の中で、「そだね〜」という言葉は、それを象徴する言葉だった。そうした意味で、「そだね〜」という言葉にはチーム(組織)を活性化させる力があった。そうした言葉がチームのムードを作り、一人ひとりの潜在能力を発揮させ、銅メダルの栄冠に繋がったと思った。 

〈「顔晴(ガンバレ)」で勝ち取った金メダル〉
 選手の活躍を観ながら、いつも言葉の力に驚かされる。スピードスケート500mで金メダルを取った小平選手は「顔晴(ガンバレ)」という言葉を支えに苦しい練習を耐えてきたと言う。小平選手は高校2年のときにスランプに陥った。その時にであった言葉が「顔晴(ガンバレ)」だった。

【夏の厳しい練習に耐え、すでに頑張ってきただけに、当時は周囲から「頑張れ」と言われると苦しかった。でも「頑張らなくても良いんだよ」という言葉を聞いても腑に落ちず、前に進める気がしなかった。そんな時、あるコーチにもらった言葉が「顔晴(ガンバレ)」だった。「本当のガンバレは顔が晴れたこと。つらくても笑顔は忘れちゃいけない」。「頑張れ」という言葉に疲れ、悔いばかりが残る毎日を過ごしていると感じていた。幼い頃は笑っていられたのに、いつの間にか下を向くようになっていた小平選手を救った言葉だった。「顔晴(ガンバレ)」という言葉との出会いよって、小平選手は高校3年の冬、全日本ジュニア選手権スプリントを4年ぶりに制覇した。】(※新潟日報平成30年2月19日朝刊より)

 成功者は小平選手のように、必ず積極的・肯定的なアファーメーションを活用している。前出のEPPプログラムに「アファーメーションは個人生産性を向上させる為のツールです。これはあなたの考え方や心構えを変え、そして最終的にあなたの行動を変えてくれます。アファーメーションが心構えと行動に及ぼす衝撃は、あなたが欲する成果を生み出す上で大きな力になります。」
 
 先日、新潟市内のバイクショップでのSMI社内塾の際に、ベテラン社員が「オリンピック選手は殆どの人がSMIと同じことを言ってましたね」と仰った。この言葉はオリンピックがある度に必ず耳にする言葉だ。オリンピック選手はSMIプログラムを採用し、活用している選手はもちろん、SMIを知らない選手も、結局SMIイズムと同じコトをやってオリンピック出場を勝ち取り、メダルを手にしている。そのことをあらためて感じさせてもらった二週間でもあった。小杉(2018.2.26)

《平成30年1月》

 「仕事?−はい、大好きです!」

 新年おめでとうございます。SMIクライアント各位におかれては、大きな希望をもって新しい年を迎えられたことと存じます。

 さて、時代は人口減少、人材不足の中で「働き方改革」が叫ばれています。そこで年頭に当たり「働く」ということをSMIではどう捉えているかを考えてみたいと思います。
 ポール・マイヤーは「仕事?・・・はい大好きです!」と言い、プログラムにおいて、仕事には五つの恩恵があると説いています。

 1、仕事は「報酬」が得られます;生活のため夢を実現するために、報酬はかかせないものです。しかし、多くの人が働くことは、金銭のためだけだという勘違いに陥っています。その勘違いを質していくこともリーダーの大きな役目です。スタッフにそのことに気付いてもらうだけでも働き方改革は大きく前進します。

 2、仕事は「潜在能力」を発揮する絶好の場です;仕事は現状維持では続けられなくなくなります。そのため目標を立て、現状を変え、挑戦しなければなりません。そこに必ず潜在能力を発揮する場が生まれます。私も、このSMIビジネスに携わらなかったらこのような文章も書けなかったらだろうし、パソコンもほとんどいじれられなかったし、人前での話も出来なかったと思っています。

 3、仕事は「人間成長」の最高の場です;仕事をするということは、必ず人と関わるということです。どんなにAIの技術が進んでも、人と人との関係がそこになかったなら、それは全く無意味なものとなります。人と関わることには必ず軋轢が生まれる。クレームやリコールもその一つとも考えられる。しかしその対処には必ず人間関係の改善も含まれるものです。そうしたことがその人を人間として成長させてくれる。営業での失敗、仕事から遠ざかっていった人、苦情を持ち込んだ人、そうした不都合な人から多くを学び、人間性を磨いていくことが出来る。

 4、仕事は「時間」を構成しています;ある経営者より、こんな話しを聞いたことがあった。「運送会社に勤めていた管理者が退職し、少しのんびりしようとブラブラと過ごしていたようです。しかし三ヶ月もしたら、いても立ってもいられない状況に陥って、私に電話をしてきてこう言うんです。『私を○○さんのところで給料なしでも良いから働かせて下さい』と。給料なしというわけにもいかず、今は一般の人と同じように働いてもらっています」。SMIの実践プログラムに「定年退職し、何もしないと3年以内に病気をするか、死ぬ確立が高まるというデータがあります」とある。 仕事は人生の価値ある時間の多くを、注ぎ込むに足るものなのだ。

 5、仕事は「スリル」を楽しむ場です;私はこれを仕事のゲーム化で生み出せると考えています。ポール・マイヤーは、我々モティベーターに、何人に合い、プレを何回し、いくつの契約を頂いたか、データを常に取りなさいと言う。実際にやってみてわかった。数字を取ることで、ゲーム化が可能になり、苦役と感じる仕事も楽しいものに変えていくことができると。

 仕事の捉え方として土光敏夫著「経営の行動指針」の中に素晴らしい考え方があります。「『仕事の報酬は仕事である』とは、日産自動車の創立者藤原銀次郎氏の言葉である。私どもの従業員意識調査でも、この立言を肯定する結果が出ている。簡単に言って、満足感(働きがい)の源泉が、賃金に代表される金銭的要因よりも仕事に代表される非金銭的要因に、より多く求められている。賃金と仕事の関わり合いについては、色んな立場からの様々な議論があろう。人間の喜びは金だけからは買えないという一事である。賃金は不満を減らすことはできる、しかし、満足を増やすことはできない、満足を増やすことのできるのは仕事そのものだと言わねばならない。

 仕事の報酬が仕事であるような仕事を作り出してゆくのは容易なことではない。そんな仕事は数多くは存在しないという反論もあるだろう。しかしそれは間違った考え方だ。どんな仕事であろうと、それが自発的主体的に行動できるような仕事になってくれば、人々はそこから働きがいを感ずるようになるのだ。仕事の種類程度よりも、仕事のやり方が問題にされねばならぬ。」 

 最後に、仕事の名言を記し、年頭の挨拶とさせて頂きます。
★仕事の中にこそ自分を発見するチャンスがある ジョセフ・コンラッド
★仕事は人生であり、良き仕事は良き人生であるジェームズ・W・エリオット
★働くことは祈ることである           聖アウグスティヌス

                                 平成30年 初春

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