令和元年(平成31年)SMI雑感 12月 今、仕事が心地よいんです! 11月 フランシスコ教皇来日に思ったこと 10月 ラグビー日本チームと応援パワー 9月 久しぶりのSMI懇親会 8月 『社風』の力 7月 「TO DO LIST」健康法 6月 「100歳になっても、チャレンジする目標があれば・・・」 5月 現代の『むごい教育』 4月 「グッドモーニング」! 3月 あなたは人生の”胸像”にどんな言葉を刻みますか 2月 ゾウのストレス解消法 1月 新潟に帰ったら実家より、お店によるのが楽しみなんです 令和2年SMI雑感へ 平成30年SMI雑感アーカイブスへ ホームトップページへ |
《令和元年12月》 今、仕事が心地良いんです! 去る12月22日、例年通りSMI有志で、米沢興譲教会のクリスマス礼拝にて学ばせて頂いた。 今回初めて参加した三条の建築関連の会社を経営されているEさんは、田中先生に親族の「うつ」のことを相談された。SMIクライアントでもあり、多くの不登校児や医者でも投げ出す鬱患者を社会復帰させたという多くの経験を持つ先生の答えは、「うつは病気ではありません。うつで良かったですね」、だった。現代社会の状況からしたら「うつ」の方が正常なくらいです。あるがままを受け入れてあげましょう(※現実大肯定)、ということだった。 親族を何とか助けてあげたいという思いで悪戦苦闘してきたEさんにとっては、初めて耳にした言葉だった。「スウーと心が軽くなりました。今までは、なんとか治してあげなければ、オレが何とかしてみせる、といっぱいいっぱいだったんです」と吐露され、笑顔になられホッとした様子だった。 ■あるがままを受け入れる、すると創造力が 今年もクライアントが問題にぶつかり、立ち上がっていく姿を多々見させて頂いた。問題を解決するために誰もが必ず通らなければならない関門がある。それは起きたことの全てをあるがまま受け入れることだ。SMIの基本プログラムのレッスン15「成功への勇気」に、聾唖を乗り越え、楽聖と言われるようになったベートーベンの話がある。 『障害物に立ち向かうには、特別な勇気が必要になります。創造力とイマジネーションに基づいた勇気です。ある人々は、信じられないほどの苦難を失意落胆することなく、克服していきます。べートーベンが有名な第九交響曲を書いたのは、耳が全く聞こえなくなってからでした。彼はこう言っています。「私は耳の自由を失った代わりに、精神的な報酬を受けた。私は運命ののど笛をしっかりと押さえている。(※現実大肯定) 天国に行けば耳が聞こえるようになるだろう」』 年末に日本中で歌われるベートーベンの第九・喜びの歌は、ベートーベンが音を失って、心身ともに筆舌に尽くしがたい葛藤を乗り越え、全てを肯定し、受け入れたことによって生まれた曲だった。 ■あるがままを受け入れ、ピンチがチャンスに 先日(12月9日)、中越地区のカーディーラーの五泉店でSMI社内塾が修了した。その塾の修了式は素晴らしいものになった。 このお店は今年の8月、5人のメカニックのうち2人が退職するというピンチに陥った。そこで、その後の社内塾を、メカニックが3人になった体制での時間経営と生産性向上に切り替え、「これをチャンスにしましょう」と私は繰り返した。 私は、その店があまりにもお客様の要望を聞きすぎて、過剰サービスに陥っているのを感じていた。もっとお客様を良い意味で、互いがwin-winになるような教育をしましょうと説いた。また2:6:2の法則(パレートの法則)に基づいて考えると、本当に急ぎの人は10人のうち2人、中間の6人はどちらでも良くて、応対の仕方で店の意向に沿ってくれる人、そして残りの2人は全く急ぐ必要のない人となるものだ。そうしたことも考えながら、徹底して話し合ってもらった。 SMIプログラムに触れ、可能性を感じていた塾生たちが現状を受け入れ(※現実大肯定)、店の可能性を信じて動き出した。結果、昨年の冬のタイヤ交換の時には、皆があせりと緊張感でピリピリし、1〜2時間お客様を待たせてしまい、店が人でいっぱいになってしまっていた。しかし、今年は2人のメカニックが減った中で、全くお客様を待たせることなく、売上げも落とすことなく、全ての仕事がスムーズに回った。 副店長が塾の修了式で言ったものである。「計画を立て、それを皆で協力し合い、1つ1つをこなして、上手く仕事が回っていくことは本当に心地良いものですね」と。 一見、ピンチに思えたことが、皆でそれを受け入れ、これをチャンスにしようと考え、実践していったら、かえって実績が上がってピンチが希望に変わっていったという話でもあった。 働き方改革が叫ばれる昨今、企業は労働時間の短縮を迫られていく。そうしたお店の体験から、あらためて働き方改革は大きなチャンスとなると感じた。来年のSMIビジネス塾でも「ドラッカー×SMI」と銘打って働き方改革と生産性に挑戦していく。今からその学びが楽しみになってきた。 最後になりましたが、今年もSMI雑感をお読み頂きありがとうございました。良い年をお迎え下さい。(SMI 小杉) 2019/12/26 |
《令和元年11月》 フランシスコ教皇来日に思ったこと ローマ教皇が38年ぶりに来日した。フランシスコ教皇は世界各地で、積極的に平和への言葉を語っておられる。今回も、人類一人ひとりに対して「誰もが平和のために積極的に参加する必要がある」と説き、「全ての人がその責務に関わり、一人ひとりが必要とされている」と語った。また「各国、各民族の文明は経済力ではなく、困窮する人にどれだけ心を砕いているか、そして出生率の高さと命を育む能力があるかによって測られる」とも説いた 東京ドームでの教皇の説教には5万人が集った。それは70倍という倍率の中で選ばれた5万人だった。日本のカトリック信者が40万人という。350万人が応募したことは、いかに信者以外の人も教皇の言葉を求めていたかが分かる。そのことに日本人の多様性を感じ、これも多神教的な日本の良さだなと思った。 ■宗教を持つリーダーの強さ 私は、SMIビジネスをしていて、リーダーを考える上で、よくこの人はどこか違う、何かを持っておられるなと感じたとき、その人のバックボーンとなっていたものが、「ああ、あの宗教があったのか」と、いつも驚かされる。 著名な経営者でも、言動を観、本を読みこの人はもしかして、と調べるとクリスチャンだったり、熱心な仏教徒だったということを知る。アサヒビールを立て直した樋口敬太郎。宅配便をつくり育てた小倉昌夫。伊藤忠商事の元社長で中国大使をした丹羽宇一郎。皆クリスチャンだ。アップルのスティーブ・ジョブズは熱心な禅の実践者だった。またこのSMI雑感でよく紹介させて頂いている、再建王と言われた土光敏夫(※四代目経団連会長)は、朝晩必ず30分読経をするという敬虔な日蓮宗徒だった。 過日も、東京電力、福島の原発事故の拡大をギリギリで防いだ、元吉田所長が熱心な仏教を学ぶ人だったことを知り、納得した。この人がいなかったら、あの事故の時、日本は壊滅的状況に陥り、9年経った今も全く日常が取り戻せなかった、と言われている。 元吉田所長を書いた門田隆将著「死の淵を見た男」(※PHP出版)にはこうある。 【事故処理の最中に、2日程の休暇のために帰ってきた夫が、フラッといなくなったことがあった。奥さんは「もしや夫は自殺してしまったのでは」と疑った。しかし、夫はいつもの穏やかな表情としぐさで帰ってきた。奥さんは夫の姿を見て大泣きしてしまう。そして冷静になって考えてみた。 「冷静になってみれば、確かに夫は、そんなことをするような男ではなかった。若い頃から宗教書を読み漁り、禅宗の道元の手になる『正法眼蔵』を座右の書にしていた。あの免震重要棟にすら、その書を持ち込んでいたほどだ」】 ■宇宙大のモノサシをもって生きる 伝統的宗教を生き方とした人は何故ここまで強いのだろうか。それは「天を相手として生きる」ことを、日常の生活に落とし込んでいるからではないかと思う。多くの現代人は「経済」と「科学」という狭いモノサシ(価値観)でしか、物事を見られなくなっている。天や仏という人間を遙かに超えた宇宙大のモノサシによって、その小さなモノサシ(価値観)を壊し、広げてくれるのが宗教ではないだろうか。 そして、伝統的宗教を指針として生きているリーダーの多くが、権力の座についても道を誤ることなく、社会に多くの足跡を残していく。それを普遍性の言葉(真理)に触れ続ける日常を送っているからと思う。伝統ある宗教、キリスト教、イスラム教、仏教は、どの宗教も真理を語る普遍性の言葉に満ちている。そうした真理の言葉にどっぷりとつかりながら、それを日常の規範として生きていれば、道を誤ることはない。 SMIプログラムも普遍性を語る真理のプログラムだ。SMIプログラムを正しく活用したなら、やはり「天を相手」とし「真理の言葉」に圧倒的に触れる日常を送ることができる。そうした意味でも、SMIプログラムに出会えたことに感謝する毎日だ。 SMI創立者のポール・J・マイヤーも敬虔なクリスチャンであり晩年には多くの宗教的著書を書き上げた。そのマイヤーは説く。「人生六分野の精神・倫理面は、宗教を学び、考え、そうした精神を取り入れていかないと決して分からないものである」と。 今回のローマ教皇の来日を期に、今一度宗教を学び、考えなければいけないなと思った。年を重ねた今、それは今まで以上に楽しい学びになると感じている。 SMI小杉 (2019/11/26) |
《令和元年10月》 ラグビー日本チームと応援パワー この1ヶ月、ラグビー・ワールドカップで日本中が沸いた。私も“にわかラグビーファン”となり、日本チームを全試合で応援した。 ■応援パワーとエネルギー 心理学で『フォワードの法則』と言われる「応援」する側に関する法則がある。スポーツドクターの辻秀一氏は、人を応援するという行為は、相手に「頑張って欲しい」と励まし、エネルギーを与える。それと共に、応援する本人もエネルギーを得て、上機嫌になっていくと説く。また、成功する人の多くは、この“フォワードの法則”を感じとっていて、応援する人となり、応援エネルギーを活用しているとも説いておられる。 復活したタイガー・ウッズは、先日の日本でのツアーで82勝目を記録した。タイガーはライバルである同伴競技者のプレーを心の中でいつも応援していると言う。タイガーも応援パワーを引き出す“フォワードの法則”を活用し、完全復活を果たした。 SMIのリーダー養成マニュアルには、人を励まし人を助けること、すなわち人を応援することの「力」が説かれる。 【人を助けようとする欲望】リーダーの資質のうちでも、人を助けようとする欲望はもっとも重要な意味深いものでしょう。この資質があれば、他のいくつかの資質を欠くリーダーでも成功を収めることが多いものです。それは何故でしょうか。人を助けようとするリーダーの欲望が明らかである場合には、スタッフの多くは自分の想像力のバルブを全開にして独力で解決策を見つけ出し、自ら積極的に行動するものです。何とかして人を助けようとする、人の真摯な申し出にいったい誰が抵抗できるでしょうか。これに抵抗できる人は誰もいません。弁解はなくなり、引っ込み思案は解消し、スタッフも人を助ける気持ちで満ちてきて協力し、チームワークの成果を上げるものです。(※ポール・J・マイヤー) 正にラグビー日本チームも、キャプテンのリーチ・マイケルをはじめとして、リーダー的な存在の選手達がどんな場面においても人を助けることを積み重ね、チームを“ONE TEAM”にしていった。 ■自己犠牲をエネルギーに変える 今年のSMIビジネス塾では武士道を学んでいる。10ヶ月学んできて分かったことは、武士道においては「自己犠牲」ということが多くの行為の、根底にあることだ。 「武士道は自己を犠牲にしてでも自己自身をより高次の目的に役立たせることとした」「私が明らかにしたい点は、武士道の教え全体が徹底した自己犠牲の精神に染め上げられており、その精神は女性のみならず、当然のこととして男性に要求されたということだ。」(※新渡戸稲造著「武士道」第16章より) ラグビー日本チームがベスト8に入るまでの全試合を観て感じたことは、やはりラグビーは一人ひとりの「自己犠牲」によって、チームの強さが決まってくると言っても過言でないことだ。 この自己犠牲は見方によっては、人を応援する究極の姿と取ることもできる。選手の一人ひとりが自己を犠牲にしながら、チームは益々エネルギーを増して、強くなっていった。そうした意味で、ラグビーは武士道を心の奥深くに憧れとして持っている日本人にとっては、一番合うスポーツではないかと思った。それが日本中の応援と興奮をつくり出したのではないだろうか。 上記のSMIリーダー養成マニュアルでは「無私」の重要性も説く。ラグビー日本チームの選手の多くが、試合にあっては「無私」を貫いていた。 【無私】無私に至るカギは、この世で他の人のために尽くすことはどんなことでも、何らかの形で還ってくることに気づくことです。無私は偉大なリーダーの共通点です。あなたが無私になることを受け入れ、人生に活かしていけば、無私はいつかあなたのものになっていきます。 (※ポール・J・マイヤー) ラグビーの日本チームの活躍で、あらためて「人を助ける」こと、「無私」になることの大切さを気づかせてもらった。今一度、そうした精神が一番自分を生かすことに繋がっていることを肝に銘じ、後二ヶ月となった令和元年をSMビジネスに邁進していきたいものだ。 SMI 小杉(2019/10/28) |
《令和元年9月》 久しぶりのSMI懇親会 先日(9月13日))、平成20年まで活発に活動していた新潟SMIクラブを、ボランティアで支えてくれていたメンバーが久しぶりに集まり、SMI懇親会を開いた。SMIプログラムを介して集まっているメンバーだけに、どんな話も最後はプラスに転換し、楽しい話にしてしまう。予定の2時間があっという間にすぎた。話が終わる気配もないので、途中だったが「中締め」をし、一次会のお開きとさせて頂いた。 それにしても、あらためて感じたことが、参加者が皆SMIプログラムを上手く活用しているということだ。そして、社会的には奉仕するだけになる立場をも、前向きに受け止め挑戦されている方も多い。SMIによって人生が大きく変わり、人生を豊かに生きることができる、と話しておられた。正に私にとっては、SMIのモティベーター冥利に尽きる貴重な時間となった。 ★500名の会社の副社長をされたHさんは、国内最大手農機具メーカーの新潟県代理店にあって、メーカーより全国規模のオンライン化やシステムの構築を依頼された。Hさんは最後のご奉公という気持ちで、複雑きわまりない新しいシステムを、全国より集まった200名の精鋭と共につくり上げた。「本当に苦しく眠れない日もあったが、SMIイズムで乗り越えられました。SMIをやっていなかったら、途中で投げ出してしまっていたのでは・・」と振り返っておられた。 ★最大手の菓子メーカーに勤めていたSさんは、50歳の時に脱サラし、コンビニエンスストアを独立開業した。現在は5年前にオープンした2店目も順調に推移し、安定した経営を続けておられる。Sさんは「私はSMIをやっていなかったら、今、この席にいなかったし、脱サラもできなかった。また、現在の2店目のオープンもできませんでした。私は90歳、100歳まで、今の店のオーナーを続け、現役で生涯を終わりたいと考えています。こうした考えになれるのもSMIのお陰です」と仰って下さった。 ★今年の6月まで、県内でも有数の農協の組合長を2期務めたIさんは、「私の在職中、施設等27の統廃合を実施しました。18,000名の組合員430名の農協職員に、大きな影響を与えるという決断を迫られることが多々ありました。そうした時、いつも判断の基準としたのがSMIでした。また、私の組合長在職中の最終目的であった、本所の社屋を完成させるということも実現させることができました。そうしたことも皆SMIのお陰です」とSMIプログラムに感謝を述べておられた。 ★現在、20数億の米の販売を手がけ、新潟市内では有数の米店を作り上げたHさんは「店を31年前に始めて間もなく、SMIを始めたので内の会社はSMIと共に歩んできた会社なんです。その間、法の改正、食生活の変化、農産物の関税の問題等に直面したとき、SMIプログラムに触れ続けることによって、ほとんどのことをプラスに転換しチャンスにして、乗り切ってきました」と、30年間、SMIに触れ続けてきた方らしいお話しをされていた。 他の参加者も、SMIに対する感謝の言葉を述べておられた。また、皆さんから「小杉さんのお陰で・・・」と言って頂いた。しかし、私は今、逆の心境にある。こうしたクライアントの方々こそが、私を育ててくれたと感じいる。正にSMIを通し共に成長してきたのだ。 会の最後に、これからも目標と希望を持って、一生涯の伴侶SMIプログラムを学び続けていこうと誓い合い、再会を期して散会となった。 SMIプログラムに巡り合い、SMIビジネスを通して皆さんと出会えたことに、心から感謝させて頂いたひと時だった。 SMI 小杉 (2019/9/25) |
《令和元年8月》 『社風』の力 パナソニック創業者で、かつて経営の神様といわれた松下幸之助(※SMIクライアント)は取引先の企業を訪問した時、販売高や利益等を聞かなくてもその企業の経営が上手くいっているかどうかを瞬時に見抜いたといわれる。その方法は至ってシンプルで、「一つは従業員の挨拶、二つめは整理整頓、三つめはトイレの掃除、この三つを見れば大体その会社は分かる」ということだった。 私はこれを、松下幸之助はこの三つでその会社の社風を見抜いた、とっている。そしてこの三つは端的に会社の雰囲気、風土を表します。私が取引させて頂いてる会社も、この三つをきちんとし、良き風土を作って、実績を上げているところが多々ある。 現在、SMIプログラムを活かした『SMI社内塾』が多くの会社で好評を得て、実績につなげて頂いております。このSMI社内塾も、組織や会社に於いて積極的・肯定的で、モティベーショナルな雰囲気や風土を作ることを大きな目的としています。そして私はいつもSMI社内塾を実施しながら、社風が持つ力に驚かされています。風土は大きな力を持っており、風土によって動き始めた組織は、トップリーダーの力を持ってしてもその力に抗うことは中々できないものだ。 EPPプログラム(個人生産性プログラム)に、「あなたがメンバーに代わってモティベーションをおこすことは難しいことです。しかしあなたは、人を力づけるモティベーショナルな雰囲気を創り出すことはできます。その雰囲気とは、成長とリーダーシップが報われ、達成への表彰が行われ、そして自分自身で責任を受け入れることが奨励される雰囲気のことです」とある。 当社では、そうした雰囲気づくり、風土づくりに役立てていただこうと、SMIファミリーコースの資料(※「子供達の育つ環境が、子供達の心構えを形成します」ドロー・ロウ・ノルト)から、会社や組織の風土づくりに役立つようアレンジし、下記のアファーメーションを作った。多くのSMIクライアントにお役立ていただいている ■会社の風土、環境が、社員の心構えを形成します 《社員は・・・》 ▲批判の多い会社の社員は、他人を責めるようになります ▲敵意を感じる風土の中で働くと、人と争うようになります ▲完全主義、失敗を許されない環境で働く社員は、不安を持つようになります ▲信頼関係の無い環境で働く社員は、責任を人に転嫁するようになります 《けれども、社員は・・・》 ★社員は寛容の風土の中で働くと、忍耐することを学びます ★社員は励ましがある環境の中で働くと、自信をもって挑戦するように なります ★社員は正しく評価される中で働くと、感謝の心を持つようになります ★社員は周囲から受け入れられ、認められる環境にあると、人を認め、敬するようになります ★社員は努力が報われる環境にあると、自ら目標を立て、目標を追求するようになります ★社員は公平に扱われる環境にあると、正義を学び、正しいことを実践しようとします ★社員は安心と安定の環境にいると、周囲の人を信じるようになります ★社員が友好的で伸び伸びした環境にあると、この会社は素晴らしい所であると感じ、愛するようになります あなたの会社はどんな風土、環境ですか?良き社風は、会社を強くするだけでなく、地域に良き影響を与えていくことも多い。その結果、良き社風づくりは、地域を活性化させ、街をも発展させる力ともなっていく。良き社風づくりをし、社会貢献にも繋げていきたいものです。 SMI 小杉 (2019/8/25) |
《令和元年7月》 「TO DO LIST」健康法 SMIでは時間経営においても、また問題解決・生産性向上においても『TO DO LIST』(※必須・重要リスト)の効用の大きさを説いている。そしてこのリストの活用によって人生を劇的に変えている人も多々おられる。 ■ファーストクラスに乗る人の決定的な習慣は? コンサルタントの美月あきこ氏は、自身の17年間のキャビンアテンダントの経験から「ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣」(※詳伝社)という本を書いた。その中でファーストクラスに乗る人の最大の特長は、ほとんどの人が『TO DO LIST』を書くことだと記している。 成田からニューヨークのJFK空港へのフライト時間は11時間になる。その11時間の中でやることを明確にリストアップする。つまり、TO DO LISTを書くことだったという。例えば、@離陸するまでに着替える、A12時に昼食を取る、B読書をする(プレジデント)、というように小さな目標も必ずやろうとすることはリストにしていたという。 そうした影響を受け、美月さんも自分自身のTO DO LISTを作り、活用し、現在のビジネスを成功に導いた。 ■「できた!」という達成感が痛みを改善する 日本では推定で“慢性痛”の人が2,300万人いると言われている。今、“慢性痛”の痛みを改善する治療として「認知行動療法」が注目されている。これは脳の側坐核という部位が「達成感(報酬)」を重ねることで痛みが軽減していくと考えられており、つまり、成功体験を重ね“脳を喜ばせる”ことが一番効果があり、それによって痛みが消えていく、ということだ。 このポイントは、すぐに達成できる「小さな目標」と、それを達成した先の「大きな目標」を立てること。大切なのは「楽しい!嬉しい!」と感じながら続けられることで目標を持ち、成功体験を重ねていくことだ。(※NHK「ためしてガッテン」より)そしてそれは「一字一字丁寧に書く」「ジョギングをする」「筋トレをする」という目標でもOKということだ。 これは正にTO DO LISTである。 私は毎日、TO DO LIST に書いた小さな目標をやり遂げた時に線を引き、消していく。その時にいつも一種の快感を感じる。TO DO LISTの活用者の多くが、そのことを言っておられる。ということは、その快感を求めてTO DO LISTを書く一面もあるのか。また逆も真なりとしたら、TO DO LISTの活用者には“慢性痛”の人は少ないということにもなる。 ■休日も『TO DO LIST』を書きたくなるわけ 私は休日も、1日をTO DO LISTにしないと動けない人間になった。 過日、ビジネスエリートのほとんどが、休日もTO DO LISTにしている人が多いという記事を読んだ。それは、彼らもTO DO LISTを活用することは、単に時間の有効活用のため、ということだけでなく、健康にも善いといった効用を感じ、体現しているからではないかと思った。 私もあらゆる行動をTO DO LISTにしている。そして年を重ねると共に、その効用が増し、私にとってTO DO LISTは、人生を豊にするための一石二鳥ならぬ一石三鳥の必須アイテムとなっている。今夏の夏休みもTO DO LISTを更に有効活用し、楽しく有意義な休みにしていきたいものです。(SMI 小杉)2019・7・26 |
《令和元年6月》 「100歳になっても、チャレンジする目標さえあれば・・・」 先日、建築関係の経営者より「彼は入社して7年になり、いろいろチャンスはあったはずなのに、なぜ成長しないんでしょうね」と質問を受けた。この質問は多くの経営者からよくあるものだ。私はそうしたとき「明確な目標が持てないからでしょうね」と答える。SMI創立者ポール・J・マイヤーは「やればできる能力があるのに、望み通りに進歩していない原因は、目標が明確でなく、鮮明に“イメージ”されていないからだ」と説く。私も長年このビジネスに携わり、人の成長を見てきて、この言葉の重さを実感している。 ■人を動かす三つの力 私は人間を動かす力は、大きく分けると3つの力がある考えている。 1つ目は意志力だ。意志力は、考え、選択し、決断するときに使い、その人が方向を決める力と言える。2つ目の力は習慣だ。習慣は、我々の1日の行動の90%〜95%を支配し、強い力を持っている。「人間は習慣の奴隷」「習慣は怪物」等とも表現される。そして人間が成長し、進歩することは、この習慣を変えていくことだ。3つ目として成功の鍵となるイメージの力だ。私はイメージの力の強さを実感してもらうために、セミナー等では「今ここにレモンがあります。私がこのレモンをスライスします。その1枚をかじってみて下さい」と、問いかけてみる。これは想像の世界の話なのだが、イメージした人は100%唾液がでました、と言う。ツバを出さないようにといっても、ツバを止めることはできない。このイメージは目標と密接な関係がある。目標設定とは明確なイメージを持って、その実現を目指すこと、とも言える。 そしてこの3つの力の関係は、意志力は習慣の力にはかなわない、習慣の力はイメージの力にはかなわない、という関係にある。人間の成長とは、目標に見合ったふさわしいセルフ・イメージを持って、そこに近づくために必要な心構えと習慣を身に付けていくことだ。 と、すると上記の3つの力の関係から「怪物」とも言われ、強力な力となっている習慣を、新たな習慣に変えて行くには、意志力では不可能だ。そこでその習慣の力に勝るイメージ力を活用することで、自分を変えていくことができる。 ■「目標=イメージ」が人生を変える 70歳を過ぎて、エベレスト登頂を三度成し遂げたプロスキーヤーの三浦雄一郎氏の体験談ほど、「目標=イメージ」の力を感じさせてくれるものはない。 プロスキーヤーとして数々の実績を残してきた氏も、目標を失った60歳の頃は、食べ放題、飲み放題で、500メートルの山を登るのに幼稚園生に追い越される、単なるメタボ老人になっていた。そうした生活を変えるきっかけとなったのが、NHKでも何度か紹介された父親、三浦敬三さんの姿だった。99歳になる敬三さんがモンブランをスキーで滑走するという目標に向かって身体を鍛え、尚も技術の向上を目指し、自制する生活を見た。「100歳近くなっても、チャレンジする目標があれば、そこへ向かっていけるんだ。まだ先は長い、時間はある。そうか目標だ、とようやく気づいたんです」そして、若い頃叶えきれなかったエベレスト登頂を目指すと決め、エベレストを登頂した自分の姿をイメージすることから始める。 基礎体力は日常のトレーニングで養った。出かけるときは常に両足に重りをつけ、リュックにも重い荷物を入れ歩いた。以後その姿は氏のトレードマークとなった。 そして65歳の時には完全に体力を回復させ、2003年5月22日、世界最高齢(ギネスに掲載)となる70歳7ヶ月で、世界最高峰のエベレスト登頂を果たす。その後も挑戦し続け、75歳、80歳と三度の登頂を果たした。87歳になった現在も4度目のエベレスト登頂を目指し、挑戦する毎日を過ごしておられる。 ■目標が運命を造る ポール・J・マイヤーは、人間の運命も『目標設定』が鍵であることを次のような言葉で説いている。「それぞれの人間は、自分の運命を決定するために生まれてきた。その運命の深さと広さとは、その人の目標設定にかかっている」。 人間は、三浦氏の例のように何歳になっても自分の運命を変えることができる。何歳になってもより善き運命を造るために『目標設定』を続けていきたいものである。 (SMI 小杉) 2019/6/25 |
《令和元年5月》 現代の『むごい教育』 SMIは端的に言うと、パーソナル・モティベーションによって、潜在能力を発揮し、トータルパースンを目指して、人生を送ることと言える。そしてこのパーソナル・モティベーションは、「自分で考え計画し、行動し結果を出し、その結果に対し責任を負うこと」となる。そしてこの中で「自分で考える」が鍵であり、自分で考えない人間がパーソナル・モティベーションを起こすことは絶対にできない。 ■戦国時代の「むごい教育」 今川義元は、人質として預かった竹千代(のちの徳川家康)に対し、「むごい教育をせよ」と家臣に命じたといわれている。一般的に『むごい教育』と聞くと徹底した体罰、厳しく激しい言葉を使うと考えてしまうが、全く逆のやり方だった。 義元は家康の望むことを全て否定せずに与えるように命じた。これは、家康の才能を見抜いていた今川義元が、徳川家康をわざと甘やかし、自分で物事の判断できない人間にしようとしたのだ。 ■現代の「むごい教育」 現代社会も、何の疑いもなく善意で、この『むごい教育』が行われている。今の義務教育も多くは、単に答えを探す教育に陥っていて、考える人間を育てる教育ではないと多くの人が指摘している。 また、多くの会社でも「むごい教育」が行われている。 先日も、ある会社でベテラン社員が降格になった。その人の過去の経歴を聞き、経営者の姿勢と考え方を知ると、正に「むごい教育」をしてきたんだなと感じた。その社員は高校卒業後、その会社に入った。そしてその後20数年、その社員は自ら考えることをせず、経営者の指示通りに仕事をした。そしてそれが評価された。問題が起きても、皆、経営者が解決してしまった。時にはアイディアを出すこともあったようだが、結局は効率・生産性の観点から「それは駄目だ」の一言で終わってしまったという。 結局、その社員は20年数年、自ら考えることが全くない環境を過ごした。そして昨年、20年以上努め、一番の年長者なのだからと責任ある地位についた。周囲も大きな期待を持ち、本人もその気になったようだった。しかし、きっちり指示された仕事はこなせるが、新しい現場、新しい生産性の目標となると、全く自分で考えることができず、仕事は進まなかった。結局は、その仕事を他の人に委ねるか、無理してやり、結果、周囲との軋轢を起こすという状態に陥ってしまった。 そして先月より、その責任ある立場をはずされたとのことだった。こうしたことは多くの中小企業で起きている。そしてそうした会社の経営者は、俗に「やり手」と言われる人が多い。「やり手」であるがために、人に任せることをせず、考えることのほとんどを経営者がやってしまう。それは正に、“現代のむごい教育”だ。 ■“教えない教育”の重要性 SMIではアドバイスしない教育、教えない教育を説く。教育とは自ら考える人間を育てることだ。SMIのコミュニケーションプログラム(ECP)では、「耳を傾けたり、質問することを怠り、・・・それとは逆に助言を与えてしまうと、その人が自分で問題を解決する機会を奪い、自信を傷つけ、問題解決能力を減じてしまいます。助言を求められても、与えることは避けて下さい」と説く。 あのピーター・ドラッカーも「上司がいちいち口出しする組織は発展しない。上司の仕事は部下の仕事に首をつっこむことではないし、アドバイスすることでもない。何が問題かを、部下が自ら気づけるように導くことだ」と言う。 SMIプログラムを人に教えることは不可能だ。全て自分で考えることを要求してくる。そうした意味で、SMIは組織が現代の『むごい教育』に陥ることを防ぐ、格好のプログラムであると確信している。(SMI小杉)2019/5/25 |
《平成31年4月》 「グッドモーニング」! SMIビジネスを続けながら、いつも言葉の力に驚かされる。5月1日より、元号が「令和」となる。よく考えてみれば分かることだが、元号に関わる仕事か、そうした関係者でなければ元号が変わることで、物理的に直接影響を受ける人はほとんどいない。しかし、多くの人が「令和」となって新しい大きな変化が起きると思っている。そこにも言葉としての不思議な力を感じる。 古人は言葉を言霊(ことだま)と考え、言葉には霊(たましい)が宿ると考えた。聖書も「はじめに言霊(ことば)あり、言霊(ことば)は神とともにあり、言霊(ことば)は神なりき・・・」とあり、「言霊(ことば)=神」ととらえている。 最近読んだ2冊の本であらためてそうした言葉の力を考えさせられた。 ■「お前には苦労をかけたな」 【100歳近くになる私の叔母がね、夫のすごい女道楽で苦労したんですよ。まぁ明治の男によくあるタイプだったんですが。その叔父が60になるかならないで病院で死ぬときに、「お前には苦労かけたな」って言ったんですって。子ども背負って芝浦(東京)から飛び込もうと思うような苦労があったのにね、その一言で叔母がね、すっかり許せたって言うんですね。だからそれから40年以上、生きているんですけど。・・・・・ そう。言葉ひとつで、人が、長い歴史の夫婦が癒されるんじゃないかなって思います。優しい言葉ってんじゃなくて、夫がやさしくなれるような言葉。妻の心が溶けるような言葉。やさしく声を掛ける、ということじゃないんですよね。 なんか言葉って面白いな、って思いましたねぇ。だからって言葉を巧みに使おうってんじゃないけど】 ※樹木希林著「一切なりゆき」より ■「グッド・モーニング」 【深刻な病を経験し、手術後、社会との交わりを制限するようになった、ある女性から聞いた話である。彼女が塞ぎがちになったのは、体力に自信がないということもあったが、本当の理由が別なところにあることは、彼女自身にも分かっていた。存在の重みを見失っていたのである。 仕事で海外へ行ったある朝、彼女が街並みを見ながら散歩をしていたときだった。ビルの二階あたりの窓を外側から拭いている男性が、彼女に向かって「グッド・モーニング」と笑顔で挨拶をした。驚きながら、彼女も挨拶を返す。 あのときほど、心に沁みる言葉に出会ったことはないと、彼女はその経験の不思議さを噛みしめるように話してくれた。その語り方は最晩年に至っても変わらなかった。男性はただ、眼下を通り過ぎる外国人に挨拶をしただけである。彼はその時のことなど、覚えてさえいないだろう。だが、その「言葉」は、「絶望の底にある人を救」ったのである。 この話をしてくれたとき彼女は、あのとき自分は確かに、常ならぬ何者かに出会った、とさえ言いたげだった。彼女は生涯、窓拭きをする男の笑顔とその声を忘れることはなかっただろうが、私もまた、この話をしてくれたときの彼女の姿を忘れることができない。】 ※若松英輔著「池田晶子−不滅の哲学」より ■言葉としてのSMIプログラム SMIプログラムも全て言葉だ。以前SMI関係者で、「SMIプログラムを映像化すると何百万、何千万円となるから、この形なんです」と言った人がいた。プログラムには形而上の言葉もあり、映像化など不可能だ。それに言葉と映像は全く違う。費用の問題ではなく、SMIプログラムは“言葉”でなければならない。この“SMIの言葉”によって、勇気や希望をもって多くの人が立ち上がっていった。映像ではそれはできない。映像は刺激や興奮を誘うだけだ。そこには言葉の持つ霊(たましい)がない。 まもなく“令和”の時代がはじまる。この“令和”という言葉にどんな霊(たましい)を入れていくかは、一人ひとりの心構えにかかっている。「言葉」をビジネスとして生きる人間として、この機会を良き機会とし、その使命と原点に戻って“令和という時代”が素晴らしい時代となるよう、その一翼を担いたいものである。 SMI小杉(2019/4/25) |
《平成31年3月》 あなたは人生の“胸像”にどんな言葉を刻みますか 去る3月7日、(株)三日月化粧品の三日月社長より、SMI体験談を語って頂き、あらためて多くのことを学ばせて頂いた。三日月社長は12年前になくなった文筆家で、多くの人に大きな影響を与えた池田晶子(※SMI雑感平成24年10月参照)の「死をきちんと考えることで、生きることが輝いてくる」という考え方を知り、人生観が大きく変わったと述べておられた。 先日、新大関となった貴景勝が昇進の口上で「武士道精神にのっとって・・・」と述べたことで、あらためて『武士道』が注目されている。武士道精神の形成に大きな影響を与えたと言われる佐賀藩士・山本常朝の『葉隠れ』は「武士道というは死ぬことと見つけたり」という一文で知られている。今年のSMIビジネス塾でもその『武士道』を学んでいるが、確かに『武士道』を学べば学ぶほどに『死』をどう捉え、その死の為にどう生きるかが大切になる、と知る。 ■「死」を考えることで「生」が充実する 哲学者であり宗教学者の山折哲雄氏は「人生にどう始末をつけるか。覚悟を定めると生き方も変わる。『死』を考えることは『生』を充実させることと不可分なのだ」「死がいつ、どのように訪れるかは分からないが、それでも考えておくことが大事だ。考えれば考えるほど、実は死への恐怖や不安が無くなっていくのです」と言う。 昨年9月になくなった名優、樹木希林さんは著書『一切なりゆき』のなかで「・・・人は死ぬと実感できれば、しっかり生きられると思う。終了する(死ぬ)までに美しくなりたい、という理想はあるのよ。ある種の執着を一切捨てた中で、地上にすぽーんといて、肩の力が抜けて存在そのものが、人が見た時にはっと息を飲むような人間になりたい。形に出てくるものでなくて、心の器量ね。」死生観をきちんともっている人の言葉は凛としている。 台湾元総統の李登輝は、『武士道』を日本の名著と評価し、日本人と中国人の違いは『死』に対する考え方の違いにあると喝破している。「日本人には、どこか武士道的な考え方がある。人間には死がある。だからこれからの子孫の為にもきちんとした生き方をしなければならないと考える。一方中国の人は、どうせ人間は死んでしまう。だから死んでからのことなど考えてもしようがない。今現在を楽しまなければ生きる意味が無い」と。確かに中国に進出した日本企業の経営者の話など聞くと、そうした言葉に納得してしまう。 ■あなたは人生の胸像にどんな言葉を刻むか 私は、このSMIビジネスを始めて間もなく、東京でのベーシックトレーニングに参加した。その時の名物トレーナーSさんの言葉が、30年経った今も心に残っている。「生きていく上で人間は多くのスキルが必要になる。そうしたスキルの中でも死に対するスキルは重要だ。今の日本人はこの死に対するスキルを学ぼうとしない。これは由々しきことだ。」私はこの言葉を「死生観を持ってSMIビジネスにのぞめ」と言われたと、受けとめている。 SMIカンパニープログラムの行動計画に、「私はどういう人間か」という課題がある。その中に「胸像は、その人の名誉を記念して建てるものですが、あなたが人生を振り返って成し遂げたことを、その胸像の台にどういうことを彫り込みたいと思いますか?」という問いかけがある。その質問も最後は自分の死生観を捉えていくこととなる。長年に渡り、弊社にご協力頂いているSMIクライアントのH氏は、SMIの学びの中で人生を100歳と決め、その胸像に彫る言葉も決めた。そして公私にわたり努力を積み重ねてきた。そのH氏は人がうらやむような成功を収められた。それは間違いなく、SMIの行動計画で「人生100年」の目標設定をされた成果と確信している。(SMI 小杉) 2019/3/25) |
《平成31年2月》 ゾウのストレス解消法 先日新聞に、現代の世相は物事のプロセス(過程)を省略していくことが良い事という人間を作り出している、という指摘が載っていた。私も最近とみにそうしたことを感じていたので、我が意を得たりと思った。現代社会は正に精神的にも物理的にもあらゆることにおいて、プロセス、過程を無くすことを“善”としているようにさえ見えてくる。 ■ミカンの皮むきはめんどうくさい だいぶ前になるが、若い人に魚の絵を描くように言うと、魚の“切り身”を描く人が多々居たと話題になった。また先日テレビを見ていたら、今はミカンの皮をむくのが面倒なのでミカンが売れなくなり、皮をむいた状態で売る工夫をしているとの事だ。 そうした話に私は愕然としてしまう。私にとってミカンは皮があって、その皮をむいて食べる、そのプロセスも含めて「ミカンを食べる」ことと思っているのだから。このような話を聞くと、便利さを通り越して途中なんかどうでも良い、めんどうなプロセス(途中)なんか無くしてしまえ、という話に聞こえてくる。 ■ゾウのストレス解消法 昨年の9月にこのコーナーでゾウのストレスの話しを書いた。この話もプロセス(過程)の重要性を考えさせられる話だ。 以前、ある動物園でゾウのストレスに悩んでいた。そこで飼育係が集まり、食事の出し方を変えることにした。それまではゾウの目の前に食料をポンと出していたが、それを、ゾウが少し探さないと見つからない所に食料を隠しておくことにした。当初、ゾウは当然戸惑い食事にありつけなかった。しかし、しばらくすると食料を探すことに慣れ、ストレスも全く無くなっていったという。食料にありつくまでのプロセス(過程)が無い状態より、食料にありつくまでの中間、プロセスでの苦労(適度なストレス)が返ってストレス解消に役立ったというのだ。 ■SMIの成功の定義 SMIでは「成功とは価値ある目標を前もって設定し、段階を追って実現することである」と定義している。この定義のポイントは2点だ。1点は「その人にとっての価値ある目標」であること。もう1点は「(成功とは)段階を追って実現していくこと」であり、成功はプロセス(過程)にこそある、ということだ。 ドラえもんの“どこでもドア”で手に入れたものや経験したことは当然の事だが、決して成功とは言わないし、“どこでもドア”では人間は全く成長しないであろう。そうした意味で、SMI創立者ポール・J・マイヤーはこの「段階を追って実現する」という言葉に人間の成長という思いも込めていたと感じている。 AIが時代を席巻する昨今、人間が成長する場であるプロセス(過程)がどんどん失われていく。人の心もデジタルの0と1という二元の世界に取り込まれ、中間が無くなってきているようにさえ思える。 休日“いよかんの厚い皮”をむくのに悪戦苦闘しながら、この成功の定義の重要性をしっかり捉え、今一度きちんと伝えていく必要があると思った次第である。(SMI小杉) 2019/2/24 |
《平成31年1月》 新年 おめでとうございます。 ■SMI導入期⇒プログラムの言葉を拒否する ■SMI実践期⇒プログラムの言葉が自分の考えと一致し同化する 社長は「オレが5人いれば、店は必ず上手くいく」「なんでうちはこんな人間しか集まらないんだ」「大の大人が揃っているのになぜ仲良くできないのだ」といつも愚痴をこぼしていた。私はそうした言葉に対し“4番バッターが5人いても強くはなりません。”“あなたが望む人が来るのではなく、あなたと同じ人が集まってきているんです”“社長自身が自分を受け入れた量だけ、人を受け入れられるようになるんです”といった言葉を繰り返していた。よくこうした厳しい言葉にも耐えて下さったなと思う。この状態では店は駄目になる、自分を変えて組織を変革しなければならないという思いから、DPMプログラムによるSMI社内塾を導入する。SMIカンパニープログラムを採用した以上、SMIにどっぷり浸かって自分を変えていこうと強く決心する。しかし、それは古い習慣との闘いの始まりでもあった。プログラムとの悪戦苦闘がしばらく続いた。しかし、そのころから不思議なことに、採用していたSMIのリーダーシッププログラムやマネジメントプログラムの言葉が、心に留まるようになって同化していた。SMIプログラムのフレーズが自然と口から出るようになっていた。それは10年、SMIを続け反復してきた成果だった。 そうした時、2004年の年末、飲食店からの類焼により店が全焼してしまった。しかし燃える炎を見ながら「必ずすぐに復活して見せる。今まで以上の店を作って見せる」と心に誓っていたという。「そのような心境になれたのは、間違いなくSMIの成果です。以前教わったように、問題の陰には必ず5つ以上の恩恵があるとの教えを思い出して、書き始めたら30以上の利益と恩恵を書き出すことができました」と言って下さった。そしてその言葉の通り、他の店が中々立ち上がれないでいる中、三日月さんは二週間後には仮店舗を出し、一番に復活した。それが他の店の励みにもなったという。 ■SMI具現期⇒SMIと完全に同化する、そして伝える責務 昨年末、大きな人事の問題が起きた。新店舗を構えて、足掛け7年をかけて育ててきた店長が結婚のため、仙台へ越すことになった。やはりショックだった。人生のこと、これからの店の運営のことなど、なんでも話し合ってきていただけに本当に残念だった。しかし彼女の幸せのため、また店がもう一段新しく生まれ変わるチャンス、と捉えることとした。それでも、現在の人手不足の折、店長に代わるような人材が来てくれるのだろうかと不安もあった。そうした時に、SMI早朝ミーティングで学んでいた言葉が心に浮かんだ。「徳は弧ならず、必ず隣あり」「あなたが望む人でなく、あなたと同じ人が集まってくる」と。その言葉の通り、何と3日後には「こちらで働かせていただけないでしょうか」と、とても感じの良い女性が店を訪ねてきてくれた。それから3か月、その彼女も今では有力なスタッフになりつつあるという。店長が新潟を去る前々日に送別会を開いた。その席で店長が「私は今度新潟に帰ってくるとき、実家よりもこの三日月化粧品店に来るのが一番の楽しみです」と言ってくれた。涙、涙のお別れ会となった。その言葉は本当にうれしかった。今までやってきたことは間違いなかったと、確信させてくれる一言だった。 今、三日月社長は会社の新しい展開を見据えている。それも全て人材があっての物種である。今年もSMIのリーダーシッププログラムを中心として、新しいステージに上がるために、新たな学びに挑戦しようと決意されている。(小杉) 2019年初春 |